小中一貫教育全国連絡協議会と三条市教育委員会は22、23の2日間、三条市を会場に第10回小中一貫教育全国サミットin三条を開き、授業公開やシンポジウムなどで三条市の取り組む小中一貫教育を全国に発信している。
同協議会は、全国で小中一貫教育、小中一貫校の研究・開発に取り組む自治体や学校、個人、企業などが情報交換し、さらに研究・実践を深めるために、京都市、奈良市、呉市、品川区の4つの自治体を発起人として平成18年に設立。8月現在の会員は、43の自治体と35団体。
教育委員会相互の連携のもと、小中一貫教育の研究と具体化を図り、義務教育の質的向上および制度改革の推進に資することが目的。全国サミットは毎年、開いている。
県内で唯一の会員の三条市での開催は初めて。「みんなで創る小中一貫教育--三条市の挑戦」をテーマに、県内外の教職員や学校関係者など、2日間で約1,200人が参加する。
初日22日は、授業公開が4つの中学校区で行われた。会場は、「1中1小一体型」の第一中学校・嵐南小学校一体校、第二中学校・一ノ木戸小学校一体校。「1中3小連携型」の裏館小学校。「1中2小連携型」の大島小学校・須頃小学校・大島中学校。
第一中学校区の一体校では、小中職員が協働で指導案を作成して授業者が単独で授業する「協働授業」、「乗り入れ授業」、「小中交流授業」の3つのタイプの授業を計20の教室で公開。参加者が自由に教室を訪れて見学した。
「小中交流授業」は、ガスバーナーの使い方「中学校の学習を支える安全で確実な実験技能の習得」、古典 枕草子「古典に親しみ、進んで古典にふれようとする態度を育成する小中合同での個展学習」、バレーボール「小中ペア学習を活用したバレーボールの基礎技能の習得」など。
「協働授業」の1つ、話し合いで考えを広げようディペード「相手を意識して話す大切さに気づく学習」では、『学校の昼食は、給食が良いか、弁当か良いか』を議題に話しての中学生1年生の討論を、同じ中学1年生と小学2年生、5年生がジャッジとなり、一生懸命メモをとりながら聞いた。
参加者は、それぞれの教室で写真撮影やメモをとったりして見学し、黒い学生服の中学生が小学生に教える様子など和やかな雰囲気に目を細める人もいた。
翌23日は、第一中学校区一体校で、午前10時から開会行事を行い、文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室の武藤久慶室長補佐による基調講演、プレゼンテーション、午後1時半から「小中一貫教育の成果と課題の検証と法制度化のもと推進が期待される取組」をテーマにシンポジウムを行い、3時半に閉会する。