燕三条駅観光物産センター「燕三条Wing」は24日、同センターで蒔絵(まきえ)体験を行い、午前と午後の2回の体験に定員通りの合わせて16人が参加し、蒔絵の魅力に熱中して取り組んだ。
三条・燕・西蒲仏壇組合の蒔絵師、春日美雪さんが講師を務めた。蒔絵は漆で絵を描き、その上に金、銀や色の粉をまいて絵模様をつける技法。漆はかぶれる場合があるので、それに変わる材料を使い、10色近くの粉を用意した。
蒔絵を描く物は、名刺入れ、スマホ&めがねスタンド、鏡など5種類のなかからひとつを選んだ。春日さんが型紙を用意し、好きな図柄の型紙を選んでカーボン紙で転写するので、絵心がなくても安心だ。
参加したのはひとりを除いてすべて女性。燕三条地域がほとんどで、弥彦村や長岡市寺泊から参加する人もいた。型紙は花や蝶を選んだ人が多く、時間も忘れて筆先に全神経を集中させていた。
細かな部分など難しいところは春日さんに助けを求めた。ためらわずに筆先を走らせて微細な描写をすらすらと完成させる技術に、参加者は息を止め、かたずを飲んで見守り、「すご〜い!」と目を丸くして驚いていた。
どの参加者も一見しただけでは素人の作品とは思えない出来栄えに大満足。何年かぶりに蒔絵に挑戦した燕市の30歳代の女性は名刺にツバキの花を描き、「縁を残して塗るところが難しかった」とにっこり。春日さんから型紙よりもおもしろい形の茎を描いてもらった。「先生があんなに簡単にするすると描けるなんて」と脱帽だった。