世界的な写真家天野尚さんが下田を超大判フィルムで撮った巨大な写真を三条市に寄付 (2015.10.31)

総合商社の金武株式会社（三条市興野3）会長の金子武雄さん(87)は30日、世界的な写真家天野尚さんが超大判フィルムで撮影した三条市下田地区の風景の大型写真パネルを「この素晴らしい景色をたくさんの市民に見てもらい、誇りに思ってほしい」と三条市に寄付した。

写真は、8月に亡くなった天野さんが2011年5月中旬ころ、三条市八木ヶ鼻頂上から撮影した「山紫水明の里」。縦1.5m、横4mの超大型写真。残雪の守門岳を目の前に、水を張った田んぼが広がる風景。

午前9時半に金子さんは市役所を訪れ、国定市長に目録を手渡した。金子さんは、以前から天野さんの写真のファンで、9月から10月にかけて弥彦村で開かれた天野さんの写真展「創造の原点」を訪れ、この写真と出会った。

「天野さんの写真は、衝撃を与える。いつ見ても素晴らしい景色」と感じながら作品を見ていると、「これは下田では。三条の人から見ていただきたい」とこの作品を見て思った。金子さんは、「三条は、見るとこない」と言われることもあるが、「三条にこんな景色があるんだと、三条市民から見ていただいて、喜んでいただければ」と話していた。

写真パネルは、市役所本庁舎の入口ロビーに飾られた。市役所の壁ぎりぎりに設置された大きなパネルに国定市長は、「このサイズは燕三条駅の方がいいんじゃない」と話したが、遠くの山の木々やあぜ道の草の1本1本まで鮮明に見える高精細な写真に感心し、まるでそこにあるような景色に「毎日、眺めることのできる幸せを感じながら」と感謝していた。

市役所を訪れた人たちも、目の前に広がった素晴らしい風景に吸い込まれるように写真パネルの前に立ち、じっくりと見入る人もいた。