加茂市の小池清彦市長と市内11の保育園長が2日、市役所で記者会見し、県立加茂病院に病児・病後児保育施設と産科の個室20室の設置を求める要望書を保育園児の保護者など3,176人の署名をつけて泉田裕彦県知事に提出することなどを話した。
会見で私立保育連盟会長の下条保育園の銀田治園長は、県立加茂病院の改築にあたり中身が伴っていないとして、「保育に携わる一員として要望させて頂きたい」とあいさつした。
要望の内容は、建設される県立加茂病院の建物の中に病児・病後児保育施設を設置すること、産科の個室を20室とすること、そのために5階の面積を広げることの3つで、9月9日に小池市長が泉田知事と会談していまも平行線をたどっている内容とほぼ同じ。「改築される県立加茂病院の建物の中に病児・病後児保育施設を配置することと、産科の個室を二十室にすることを求める要望書」とするA3判サイズ2枚にその理由も記述した。
要望書の最後には「わたしたちは、加茂市・田上町並びに加茂病院を中心とする広い地域の若い人たちが安心して子どもを産み、育てることができるようにするため、加茂市の全保育園の園長、保育士、全園児の世帯515世帯の95%にあたる489世帯を含む関係者3,176人の署名を以て、衷心よりご要望申し上げるものであります」とし、11の保育園の園長の連名を記す。
署名は、9月末ころから約1カ月間、各保育園を通じて集めた。本量寺保育園の大森蓉子園長は、病児・病後児保育施設の要望は、平成19年と21年にも加茂病院の中につくってほしいと要望していることなどを話した。
小池市長によると、同施設の設置の要望は以前から受けていたが、病院外の施設では医師の確保ができず実現していない。緊急の課題であり、今回の改築で、開院と同時の開園が必要とする。
「最も産科や病児・病後児施設に近いのは保育園(の保護者や関係者)」で、保育園関係を中心とした市民からの要望を受け、「これが出てきた以上は、加茂市長は引き下がりません」と述べ、泉田知事と尾身孝昭県議会議長にあてる要望の日程を県と調整中とした。
また、病院の改築に先だって新病院建設場所にある旧看護専門学校などの解体工事を行うために必要な手続きを加茂市が止めているとされていることについて、具体的には言えないとしたが「県側と協議の兆しが見えてきた」として、「取り壊しについてはOKする段階で、書類をつくっているところ」と話した。