10月29、30の2日間行われた燕三条ものづくりメッセの関連イベントとして行われた燕三条ものづくり工場の見学ツアーは定員を超える参加者があって好評だった。
昨年は燕三条地域の工場の見学や体験ができるイベント「燕三条 工場の祭典」に日程をあわせて開いたが、ことしは日程をずらした。しかし、ものづくりメッセに訪れるついでに工場見学をしたいという要望があったことから、来場者限定で初めて見学ツアーを企画した。
29日の午後と30日の午前と午後、それぞれ燕三条地域の工場2カ所を見学するコースを設定。いずれも定員の10人を超す参加申し込みがあった。
30日午後のコースは、燕市の株式会社武田金型製作所と株式会社フジノスの見学ツアーを行い、遠くは熊本、静岡、岩手から8組11人が参加した。フジノスでは、鍋の製造工程を工場内で見学した。
同社は鍋のメーカーで、20数年前に業務用IHクッキングヒーター鍋を世界で初めて開発に成功したIH鍋のパイオニア。家庭用で40種以上、業務用などを含め約300のアイテムがある。各電力会社や家電メーカー「Hクッキングヒーター推奨鍋」として全国で高い評価を受けているが、それらを通した流通が中心なので小売店で目にすることはほとんどない。
同社では毎日、すべての工程を行っているわけではないが、見学用にできるだけたくさんの工程を行って作業を実演した。参加者はIH鍋は底を厚く、側面を薄くしていることや鍋底の中心を1ミリ以下でへこませて鍋がくるくる回ってしまわないようにする工夫に感心。なかでも驚いていたのが手作業の工程で、感覚で機械を超える精度で磨いたり成形したりする職人技に目を見張った。
また、製品の修理にも積極的に取り組んでおり、使い古した鍋も責任をもって修理する同社の姿勢にも学んでいた。