コーヒー専門店でカフェの「ツバメコーヒー」(田中辰幸代表・燕市吉田)は10月31日、オープン3周年を記念して同店でこれまでにツバメコーヒーにかかわった3氏を迎えてコーヒー教室、トーク、ライブ&ドローイングと3年間を振り返るにふさわしいイベントを行った。
皮切りは全国に知られるロースター、徳島県徳島市の「アアルトコーヒー」を営む庄野雄治さんによるコーヒー教室。ツバメコーヒーの田中辰幸さん(37)は庄野さんにあこがれて店を始めた。続いて庄野さんと田中さんの2人でトークを行ったあと、ライブ&ドローイング「大塚いちお×山田稔明・飛び立つコトノハ」を行った。
大塚いちおさんは上越市出身のイラストレーターで、ツバメコーヒーのロゴデザインを依頼した。佐賀県鳥栖市出身のシンガー山田稔明さんはツバメコーヒーでは3回目の演奏。昨年の2周年イベントのときと同様に山田さんが弾き語りをして、それにあわせて大塚さんがイラストを描き、プロジェクターで投影してコラボレーションした。
トークには10人ほどが参加してひとつのテーブルを囲み、友だちの話を聞くような形。庄野さんは旅行会社を辞めて開業したが、そのころの思いを「こんな親父を見てたら子どもが大きくなるのがいやになるから、ちゃらちゃらしている姿を見せたいと思った」、ギフトを扱ったときに来店する客のことを「面倒くさいと思ったことがあった」から、「嗜好品は好きな人が買ってくれないと未来がなくなると思った」ときっぱりギフトを辞めた。
さらに「そんなにコーヒーに情熱的ではなく、どうしたらお客さんに喜んでもらえるか、ふかん的に見ている」、「夢や希望を語る人は好きじゃない。じゃあ、やればいいじゃんと」、「10年後に楽をするために今、頑張るという人がいるが、今、毎日が楽しくない人が10年後に楽しくなるわけがない」と持論を展開した。
後半は大塚さんもトークに加わった。庄野さんとは意外と共通点があり、地方に住んで中学時代は同じような音楽をラジオで聴いて育ったことを話した。高校を卒業して東京で仕事を始めてからは新潟を遠ざけるようになっていたが、4年前に新潟でイラストの審査員を務めてから新潟とかかわるようになった。新潟の作品は「すごく東京の真似をしたものが多い。地元だからか、ちょっと恥ずかしいと思った」と言い、「もっと自分をさらけ出すような仕事をしてほしい」と期待した。
ライブ&ドローイングには20人余りが参加。山田さんは11月3日に発刊した著書『猫と五つ目の季節』の朗読に始まり、オリジナル曲を歌い、大塚さんはそれにあわせてあらかじめ用意したデザインにイラストを描き加える形でゆったりと時が流れるような空間を生み出していた。