包丁メーカーの藤次郎株式会社(藤田進代表取締役・本社燕市物流センター1)は15日、7月にオープンした「藤次郎ナイフギャラリー」(燕市吉田東栄町)に開設したクッキングスタジオのこけら落としとして料理研究家の有元葉子さんを講師に料理教室とセミナーを開いた。
同社は、和平フレイズ株式会社(和平稔夫社長・本社燕市物流センター2)が開発、販売する「la base(ラバーゼ)」シリーズのクッキングナイフなどを製造している。同シリーズは「メイドインジャパン、上質、基本の料理道具」をコンセプトに有元さんの企画、監修で2003年にスタートし、ほとんどを燕市内のメーカー15社が製造するクッキングウエア約70アイテムをラインナップする。
藤次郎は、数年前から同シリーズとしてハンドルにオリーブ材を使ったクッキングナイフなどを製造しているつながりから、有元さんに講師を依頼した。有元さんは雑誌、テレビ、料理書などで活躍しており、都内で料理教室を開いているが募集開始と同時に予約がいっぱいになるほどの人気だ。
有元さんはシリーズの打ち合わせで年に1、2度、燕市を訪れているが、料理教室の講師は初めて。今回は両社の身内などに声をかけて12人が受講し、「椎茸の豚肉巻き揚げ」と「お刺身サラダ」の2品を調理実習し、その後、40人ほどが参加してセミナーも開いた。
料理教室の実習に使った包丁はもちろん藤次郎製で、バット、ボウル、水切りなどの道具はラバーゼシリーズを用意。有元さんは材料を切って見せ、「包丁が良く切れて気持ちいい。いつまでも切りたくなる」と楽しそうに包丁を動かしていた。参加した人たちは「シイタケがこんな風に使えるなんて」と興味津々で実習に熱中していた。
クッキングスタジオでは、10月の「燕三条 工場の祭典」で魚のおろし方のデモンストレーションを行ったが、料理教室に使ったのは今回が初めて。燕商工会議所など貸してほしいという依頼もあり、藤田代表取締役は「来年に向けて自主事業も企画し、一般の方にもクッキングスタジオを使いやすい形でオープンにしていきたい」と話している。