日本鍛冶学会の第4回大会が21日、三条市・三条ものづくり学校で開かれ、基調講演やワークショップ、分科会「トリセツムービー」と「トリセツ」の解説が行われた。
日本鍛冶学会は、三条市の産業の礎を築いた「鍛冶」を単なる伝統として守るだけでなく、産業としてより発展させようと、福井県越前市、兵庫県三木市、鋳物の富山県高岡市などの他産地や道具の使い手と産業振興の課題について学び合おうと2012年に発足。毎年、三条市で大会を開いており、ことしも実行委員会(須佐直樹実行委員長)を組織して行った。
基調講演は東京大学の井上雅文准教授が基調講演が「木の魅力・体力・底力 地球環境に貢献する木材利用〜鍛冶産業とともに生きる〜」をテーマに行い、70人ほどが聴講したした。分科会「トリセツムービー」と「トリセツ」の解説では、ことし4月に経産省が発表した「流通事業者マーチャンダイザー・バイヤー向け製品安全チェックリスト」取扱説明書の適正性の評価項目例にのっとって今年度、制作した市内10社の取扱説明書の映像版「トリセツムービー」の取り組みや取扱説明書の重要性について話した。
ワークショップには親子など約50人が参加し、「道具の作り手と使い手をつなぐ」をテーマに三条が誇る伝統的鍛冶製品の選び方、使い方、メンテナンスの仕方を直接、製造業者に教わり、道具の正しい使い方を体験。三条の道具の製造会社の指導でタケをのこぎりで切り、なたで削ってタケばしを製作。さらに包丁を研いで切ったネギを用意した豚汁に載せてタケばしで食べたほか、玄翁(げんのう)の使い方の指導も受け、おとなも子どもも真剣な表情で取り組んでいた。