三条署と新潟県労働金庫三条支店(斉藤堅藏支店長・三条市東三条2)は24日、同支店で強盗訓練と特殊詐欺被害防止訓練を行い、けん銃をもった犯人が人質をとって金を奪う想定の訓練や定期預金300万円を解約したいと窓口に訪れた客への対応など実践的に訓練した。
閉店後の午後4時15分から同支店内で、強盗訓練、特殊詐欺被害防止訓練の順に行った。
強盗訓練は、入口から犯人役の2人が模擬けん銃を手に店内に入り、ひとりは職員にけん銃を向けて「金を出せ、早くしろ」と大声をあげ、もうひとりは客役の女性職員を人質にとって脅した。
訓練とわかっていても、けん銃を向けられて大声で「撃つぞ!」、「(金が)少ねんだっや!」など怒鳴り続けられ、窓口担当の女性は「今、用意します」と答えるも、両手をあげ、表情をこわばらせていた。犯人は金を受け取ると、けん銃を向けたまま入り口まで行き、人質を放して逃走。その間、わずか2分ほどだった。
訓練度の講評では、犯人の服装や人相などを記録する人、追跡する人など日ごろから役割分担をして、自分の役割に従った行動がとれるようにとアドバイスした。また、被害がなく、犯人を捕まえるのがいちばんだが、まず第一は人命最優先、次に金銭、その次に犯人を捕まえることと言い、万一のときの対応などを話した。
特殊詐欺被害防止訓練は、2パターンの訓練を行い、職員の落ち着いた対応に高評価だった。23日までの特殊詐欺の被害は、県内の暫定値では246件、被害額約6億7,000万円、三条署管内は141件の約5,480万円。三条署管内の被害総額は、昨年の2倍以上となっている。また、県全体では10月末現在で、5億円近くが金融機関などによって未然に防止されている。