社会福祉法人燕市社会福祉協議会就労支援センターと福祉プロダクトの企画、製作などを手掛ける新潟市・企画制作室「Bridge」(小林あかね代表)の協働で生まれたろうそく「つばめキャンドル」が、障害のある人との協働で生まれた魅力的な仕事のや働き方の全国公募プログラム「Good Job! Award」で上位12件の入選に輝いた。
このプロジェクとは、2012年に大阪で開かれた展覧会「Good Job!」で始まり、13年度から「Good Job!展」として毎年開かれている。今年度は初めて公募が行われ、9月30日までに全国から118件の応募があった。
一次審査で12件の入選が決まり、「つばめキャンドル」はそのひとつに選ばれた。20日に渋谷ヒカリエで最終プレゼンテーション、審査会、表彰式が行われ、大賞が決まる。あわせて入選作品を展示する「GoodJob!展」が宮城、東京、大阪、大分の順に会場を変えて開かれる。
「つばめキャンドル」は2013年春、燕市社会福祉協議会就労支援センターが結婚式に使われて廃棄されるキャンドルをリサイクルして何かつくれないかと小林代表に相談して生まれた。
使用済みのキャンドルを溶かして円すい形のキャンドルを作り、さらにコインのような形にした色とりどりのチップを芯を通して積み重ねるキャンドルを製作。自分の好きな色の組み合わせのキャンドルを簡単に作ることができる。
燕市観光協会から地元のイベント「酒呑童子行列」でキャンドルを生かせないかと相談があり、キャンドルを鬼のつのに見たてて「つのキャン」や「おにキャン」を企画。あわせてキャンドル作りのワークショップも行った。
その後、キャンドルの種類を増やし、今では定番が8種類になり、クリスマスのサンタクロース、ひな祭りのひな人形などをかたどった季節ものも用意。各地で積極的にワークショップを開き、新潟市の万代島美術館やヒッコリースリートラベラーズ、燕市内のカフェやケーキ店と販路を広げた。ことし5月には同センターにワークショップのスペースもある直売所を開設して堅実に地歩をかため、地元でも知られるようになった。
同センターは就労継続支援A型に加え、ことし10月に同B型も開設したが、キャンドルの製作はこれまで通りA型だけ12人があたり、時給で働いている。売り上げも年間で100万円を超えるようになった。
今回の公募には、せっかくの取り組みなのでいろんな人に知ってもらいたいと、Bridgeの小林さんが応募した。最終プレゼンテーションも小林さんが行う。
キャンドル製作を担当してきた同センターの土田貴子生活支援員は、Bridgeとの協働、観光協会との協働、さらに地元企業にキャンドルのチップを作る金型やパッケージのろうびひきの箱を発注したりと地元企業とも協働したのが評価されたのでは見る。
とはいえ「正直びっくりしたっていうか、こんな所まで自分たちのキャンドルが来るとは創造もしなかった。皆さんのやりがいにつながっていく。新しい商品開発にもつながっていけばいい」と土田生活支援員は入選がもたらす効果に期待するとともに、大賞の受賞にも期待を膨らませている。