13日、世田谷ものづくり学校で開催された「燕三条ものづくり ぐるっと体験フェスティバル2015」に初めて伺うことができました。ことし4年目を迎える同イベントは燕三条の「技」に実際にふれ、目で耳で心でと五感をフル稼働させ体験できるフェスティバル。ことしはオール三条ロケの映画も上映されると聞いてとても楽しみにしていました。
まず最初に訪れたのは鎚起銅器と包丁研ぎの体験教室。
どちらの教室も東京ではなかなか体験できないとあって午前中の部は予定人数があっと言う間に埋まってしまったそう。
包丁研ぎ教室は2時間びっしり包丁を研ぎます。プロに研いでもらうと、もちや切れ味がまったく違いますよね。今回は見学だけになってしまったのですが一生に一度は学んでみたい技。来年の開催も切に希望します!
講師の渡辺刃物製作所6代目ご夫婦。
三条市にある作業所の2Fはショールームになっているので見学もできるそうです。
またこちらは同じスペースで開催されていた鎚起銅器の教室。
新潟県の無形文化財にも指定されている伝統工芸、鎚起銅器。
銅板を金づちで打ち起こす職人の手作業から生まれる模様の美しさは海外での人気も高いそう。その技を学びながら今回、小皿作りに挑戦してみることにしました!。
これがなかなか思っている所に模様が付かず悪戦苦闘。以前、ぐい呑み作りに参加したことがあるのですが、まったく上達していません。
それでも鍛錬された職人技は素晴らしく、1時間という短時間での作業でしたが歪になったところは補修していただき無事に完成することができました。
梅の花をイメージしたのですが見えるでしょうか?!
講師は親子で銅器の製造をされている雄功堂さん。
密かに師匠とお呼びしています。
貴重な体験をありがとうございました。大切に使います!
ここで燕にあるこの鎚起銅器の老舗、玉川堂さんのケトルを使ってのハンドドリップ体験やラテアート体験ができるカフェコーナーもあると聞いて行ってみることにしました。
銅のケトルを使うと水がまろやかになると言われますよね。
以前、銅とガラスのぐい呑みで日本酒を飲み比べたことがあるのですが、確かに味が違いました。お持ちのものがあればぜひ一度お試しください。
よく考えると、この日はまだ一度もコーヒーを飲んでいませんでした。せっかくなのでラテアートに初挑戦しながら憩いの時間を。
バリスタ歴9年の宮沢直美さんと一緒に作ったラテアート。
かわいい!かわいい!と周りの方に自画自賛の押し売り状態。
初めての体験はやはり面白いですね。
コーヒーのおともは新潟産大豆100%の豆乳おからドーナツを。
三条市のお豆腐屋さんが作り出すドーナツは世田谷ものづくり学校で調理されたそうで、揚げたてを味わうことができました。
常日ごろ新潟の野菜は「濃い!」と友人たちに話しているのですが、自然の甘みと香り豊かなドーナツ。ファンになってしまったかも。三条に行ったらお土産に買って帰ろうと思っています。
さて、カフェコーナーで幸せ補給をした後は楽しみにしていたオール三条ロケの映画「ライブハウス レクイエム」の特別上映会に。
三条市にあるライブハウスが舞台の魂、絶叫の人間ドラマ。
知っている場所がロケ地になっていたりして臨場感満載でした。
上映後には出演者によるコラボLIVEや舞台あいさつもあり、制作現場での楽しい雰囲気を垣間見ているようでした。
そして三条の鍛冶職人さんたちがつくった裁縫道具を使っての小物作りを最後に紹介します。
こちらの糸切はさみ。なんと、ひとつ1万円のものもあるそうでフランスの有名服飾店に卸している職人さん製作のもの。今回使ったものは3分の1の価格らしいのですが、実際に手にすると持った瞬間からその良さがわかります。この3倍、1万円の糸切りはさみ。想像が膨らみます。
そしてまたピンセットがすごかった。わが家にあるものだと細かいビーズをつかむと手が震えるほど手先に力を入れなければ落ちてしまうのですがこれがいとも簡単につかめ、まったく落ちません。聞くと、ふーんと思うだけですがコレは使って欲しい。感動しました。
実際に見て、聞いて、触って、使って、実感する。
1日限りでしたが燕三条のものづくりを満喫することができました。残念だったのは時間が重なって「世界にひとつのクッキー型つくり」や「三条市の大谷地和紙に想書を書こう!」など興味深いワークショップに参加できなかったこと。体があと2つあれば…。
「技」や「人」との出会いは驚きや感動の連続で生まれ変わったような気持ちにさえなります。燕三条という場所はそういう面白さが溢れている場所なのかもしれません。
こういう機会がもっともっと増えて欲しい。
(リポート:勝山はつえ)