今年度の経産省主催第9回製品安全対策優良企業表彰の中小企業製造・輸入事業者部門で商務流通保安審議官賞を受けた有限会社栄工業(燕市三王淵)の山村則子社長(47)は16日、鈴木力燕市長を表敬訪問した。
経産省は、民間企業の製品安全に対する積極的な取り組みを促進し、社会全体として製品安全の価値を定着させようと平成19年度から製品安全対策優良企業表彰を行っている。4部門あり、栄工業が受賞した中小企業製造・輸入事業者部門は、鍬(くわ)を製造する株式会社相田合同工場(相田聡社長・三条市田島1)が通算3回目となる最高賞の経済産業大臣賞を受け、栄工業はそれに次ぐ評価の受賞だった。
栄工業は有害鳥獣駆除器などの企画画、製造、販売などを行っており、具体的にはネズミからツキノワグマまでを対象とした、かごやおりのような捕獲器が中心。相田合同工場の相田社長を師に製品安全対策に取り組んで今回初めてエントリーした。
受賞のポイントは、使う人も捕獲した動物も傷つけない製品の開発、プライチェーン全体での協力体制構築、製品安全対策と製品安全文化の継続の取り組みがあげられた。
午後4時過ぎに市役所を訪れた山村社長は、動物を傷つけないということについて「捕獲した動物にチップを着けて戻し、生態調査が行われる場合がある」と説明した。燕市が運営する燕版ISOといえる「TSO」に昨年度、取り組んでことし4月に認証を受けた。その取り組みのなかで「品質管理だけでなく製品安全対策も大事とわかった」し、「製品安全対策の文化を構築していかなければならない」と思って今回の表彰にも取り組んだ。
山村社長は「作ることはできても発信することができない企業が多い」が、地元は中小零細企業が多いので「トップの考えをすぐに下に伝えられる」というメリットもあり、「小さな会社でもこんな賞をいただけることがわかった」と話した。
山村社長は新発田市出身で旧栄町に嫁ぎ、夫の父の後を継いで社長になった。会社を旧栄町から燕市へ移して5年になり、「ようこそ燕市へ」と鈴木市長。
山村社長は狩猟免許をもち、この2日前に県内版のテレビのニュース番組に出演。会社は社員14人のうち11人が女性と聞いた鈴木市長はテレビ番組に触発されて「燕のウーマン大賞をやったらどうかと思っていた。山村さんにお会いしてますますその意を強くした」と受賞や女性の力に感心していた。