三条ものづくり学校に入居する三条地域若者サポートステーションは17日、三条ものづくり学校で開いたクリスマスコンサートに向けてクリスマスツリーをイメージしたオブジェを利用者が作って飾った。そのオブジェは三条ものづくり学校のコワーキングスペースを借りる建築デザインの渡辺長利さん(34)=三条市=がデザインし、三条ものづくり学校内でのコラボレーションで生まれた。
やはり三条ものづくり学校に入居する三条市青少年育成センターがことし11月に同所で開いたハロウィーンイベントの飾り付けのデザインを頼まれた。クモの巣をイメージしたデザインが好評だったこともあり、今回で2回目の三条ものづくり学校内からの依頼。配置図も描いてデザインした。
渡辺さんのアイデアは、新聞紙を丸めて棒を作り、五角すいにして立てる。これだけでクリスマスツリーに見え、しかも古新聞を使うので費用がほとんどかからない。
コンサート会場にしたプレールーム内とその入り口前を空港の到着ロビーよろしく「アライバルホール」とし、それぞれに装飾。加えて新聞紙の棒を何本もつないで背丈を超す大きさに作ったものを2カ所にひとつずつ作り、モールやオーナメントで飾った。
プレールームのメーンツリーは高さ5メートル以上もあり、新聞紙の棒を緑に塗ってよりクリスマスツリーらしくした。すべてのオブジェを作るのに必要な新聞紙の棒は実に1,500本。2週間がかりで毎日、三条地域若者サポートステーションを利用する若者6、7人が製作した。
渡辺さんは三条市出身。長岡造形大を卒業して地元で1年間働いてから東京の建築設計のコンサル会社に就職し、国内外のホテルや複合施設を手掛けている。現在進行形なのは在宅勤務だから。家族の都合もあって会社を辞めて三条市に戻ろうと考えたが、会社のデザインスタッフは渡辺さんひとりだけ。三条市に戻っても在宅で仕事を続けてほしいと頼まれ、三条市を生活の拠点にしながら東京の会社の社員として働いている。
今春、三条ものづくり学校がオープンしたことから、ことし5月からコワーキングスペースの1席と1ロッカーを借りている。月に数回、上京して仕事の打ち合わせをしながら家やコワーキングスペースで働く。同時に地元でも足場をかためようと“wao”の屋号で仕事をしており、デザインコンペに参加することもある。
ハロウィーンのときのデザインは「思った以上のものはできなかった」と渡辺さん。今回は「せっかくのチャンスなのでしっかりやりたいと思った。非日常的なもの、それがつくる空間を味わってもらおうと提案させてもらった」と言う。
三条ものづくり学校で知り合ったデザイナーにも作業を手伝ってもらった。「おもしろいデザイナーと知り合いなれて良かった。いろんな所に出て行きたい」と渡辺さんは新しい挑戦を楽しんでいる。
装飾はクリスマス後は門松に変身させるなどして来年の小正月ころまで飾っておく予定だ。