平成29年3月に三条小学校を閉校し、裏館小学校に吸収統合することに関係する条例の改正などが上程された三条市議会12月定例会最終日の22日、「三条市学校設置条例の一部改正について」の議案や「三条小学校『吸収統合』に関する請願」に対して、市議3人が反対、1人が賛成の立場で討論を行い、採決では条例の改正は起立多数により可決、請願については不採択となり、1年3か月後の三条小学校の閉校が決まった。
討論では、「三条市学校設置条例の一部改正について」の議案に反対の立場で武藤元美市議(日本共産党議員団)、長橋一弘市議(新政クラブ)、小林誠市議(日本共産党議員団)の3人が、賛成の立場で名古屋豊市議(新しい風)が発言した。
反対の討論のなかには、今回の閉校の理由とされた校舎の耐震化ができないとして地域への説明や話し合いも行いまま閉校の方針を決めて進める市教育委員会や市長への不信感や対応を問題視し、具体的な耐震化の提案や市内のほかの小学校の統合までの状況との違いなども示しながら意見を述べた。
賛成の名古屋氏も、「いたし方ない選択」とする一方「おおよそていねいな説明がなされたとは言い難いことも事実であり、その点は謙虚に受け止めていただかなければいけません」と述べて、「手続き論と子どもたちの安全確保を理由とした統合そのものの可否は別次元の問題」と考えを示した。
さらに、「『行政も保護者や地域の皆さんも、もう少し歩み寄る努力をすべきではなかったのか』という率直な思いもありますが、その一方では、行政と市民のつなぎ役として双方の言い分や考え方を通訳しながら、よりよい結論を導き出すのがわれわれ市議会議員の役回りのひとつであり、今回のような深刻な対立と互いの大きな不信感を招いてしまったことは、私自身、市議会議員の痛恨の極みであり、自戒の念にかられております」とも述べた。
採決は起立採決で、条例の一部改正案では、日本共産党議員団の3人と新政クラブの3人、自由クラブの西川重則市議の計7人が反対したが、賛成多数で原案通り可決。請願は同7人が賛成したが、賛成の起立少数で不採択となった。
この日、議会を傍聴した「新しい三条小学校地区を考える会」の石崎代表は、「残念です」と話し、同会の活動については今後、検討していくとした。また、先の署名に協力してくれた人に対して、三条小学校の存続という結果は得られなかったが、「子どもたちの学びやをどういう風にしたらいい形になるのか」、「学びやとしての場がどういうふうにあったらいいのか」との思いも多くいただいたと言い、「形はなくなっても教育の中身を考えていくために、みなさんのお力をお貸しいただきたい」と話していた。