27日夜からの本格的な雪で三条市・下田地区の秘湯、越後長野温泉「嵐渓荘」(大竹啓五社長・三条市長野)もようやく雪で覆われ、正月を前に雪化粧が間に合った。
三条市の市街地から車で山手へ約30分。守門側のほとりに立つ嵐渓荘周辺の冬は、同じ三条市でも市街地とは比べものにならないほど深い雪に包まれる。年末年始はかまくらを作れるほど雪が積もっているのがふつう。2月は毎年「かまくら月間」と称してかまらくを作ってイベントを行っている。
昨年は12月から大雪に見舞われたのとは対照的に、ことしはいっこうに雪が降らない。冬の嵐渓荘の魅力は雪景色。客はそれを楽しみにしているだけに、嵐渓荘では気をもんでいたが、年末年始休みにあわせるように雪が積もった。
まだ積雪は28日で20センチほどと少ないが、このまま降らなくても正月3が日は雪景色を保てそう。ことしもクリスマスが過ぎるとすぐに地元の人が玄関前に門松を飾ってくれ、正月を待つ準備が整った。
大竹社長によると雪もいいことばかりではなく、「雪が少ない方が人の動きがいいので、営業的には大雪にならない方がいい」と雪も降ればいいというわけでなく、痛しかゆしだ。
年末年始は繁忙期で、ことしも28日から1月2日まで宿泊予約は満杯。客の半数は毎年、年末年始に利用しているリピーターで、家は狭いからと帰省客と一緒に日常を離れて嵐渓荘でゆったりと過ごす人も多い。正月1日と2日は玄関で恒例のもちつきを行い、秘湯はにぎやかな年末年始を迎える。