造園業と営み「tomizou」名義で植物を作った空間デザインも手掛ける新潟市南区新飯田、冨田昌希さん(40)は30日、三条市大島、侍ラーメン前で、タケで作った正月飾りの御神酒入れ、門松、花入れを初めてフリーの客を対象に販売した。
冨田さんは毎年、加茂山公園で開かれる音楽フェス「Jin Rock Festival」の空間デザインも手掛ける。造園業で庭の管理などで付き合いのある客などに頼まれて以前から正月飾りを作っているが、ことしは新潟市西区、寝具専門店「眠家」から販売したいと話があり、受注生産で納品している。
それもあってことしは一般の人に売ってみようと販売できる場所を探し、知り合いの侍ラーメンの店の前で出店させてもらうことになった。テントを張り、妻とふたりで1日限りの販売を行った。
メーンは御神酒入れ(3,900円)。門松のようにタケを斜めに切り、下の節に穴を開けて中に御神酒を入れる。上下を縄でしばってウメ、マツ、水引を飾る。おしゃれでめでたさも満点。これで酌をすれば喜ばれること間違いなし。飾っておいてもいい。
門松はひとつ1万5,000円、1対3万円。高いと感じる人もあるだろうが、土台にバケツや缶を使わず、タケのおけを作ってから組む本格派だ。新潟市西蒲区・旧巻町で造園業を営んだ師匠直伝の門松。冨田さんは修業時代に手ほどきを受けたが、すでに亡くなった。「師匠の技を途絶えさせないようにとやっている」と冨田さんこだわりの門松だ。
花入れ(2,500円)はやはりタケの形を生かしてナンテンの実とユズリハで飾ったもので、いちばん最初に売れ切れた。「若い人が30代になり、伝統や習慣を重んじるようになって正月飾りを求めてくれる」と話している。