弥彦村のふるさと納税制度「がんばれ弥彦ふるさと寄付金」は、昨年6月10日にふるさと納税ポータルサイト「さとふる」での申し込み受け付けを開始したところ爆発的に寄付が増え、今年度は1月3日までについに1億円の大台に乗った。
これまでの寄付実績をさかのぼると、平成26年度が8件の29万円、25年度が1件の1万円、24年度が2件の2万3,000円といった具合で、今年度とは比較するのも意味がないくらいの実績にとどまっていた。
それが「さとふる」で申し込み受け付けを開始した6月だけで、20種近いお礼品のラインナップに446件、430万円もの寄付があった。8月の190件、285万5千円まで減ったが、秋の農産物の収穫期を迎えて増加に転じた。
さらにお礼品も増やし、11月には582件、605万円にまで増え、今年度累計で2,573万8千円に。驚くのは12月。ことしの枠の利用は12月末までなので、どの市町村のふるさと納税も12月は駆け込み需要で大幅に寄付が増える。
弥彦村では12月は7,265件の7,401万円に達し、金額では11月実績の12.2倍にものぼった。今年度累計は9,974万8千円となり、年が明けて1月3日についに9,455件、1億0,003万3千円と1億円の大台に乗った。
年度 | 寄付件数 | 寄付金額 |
---|---|---|
平成20年度 | 3件 | 131万円 |
平成21年度 | 3件 | 180万円 |
平成22年度 | 3件 | 75万円 |
平成23年度 | 4件 | 72万2千円 |
平成24年度 | 2件 | 3万2千円 |
平成25年度 | 1件 | 1万円 |
平成26年度 | 8件 | 29万円 |
平成27年度 | 9,455件 | 1億3万3千円 |
お礼品はコメ、ブドウ、エダマメ、シイタケ、もち、半羽唐揚げ、日本酒など食品を中心に弥彦村内宿泊施設利用券15,000円分もある。最も人気が高かったのはJA越後中央弥彦支店の「【平成27年度新米】弥彦コシヒカリ 10kg(5kg×2)」(1万円)で、今年度の12月末までの実績で4,366万円と全体の4割以上を占める。前年度米や2月、3月、4月の発送分を加えると弥彦コシヒカリで計5,884万円と5割を超える。
コシヒカリは1万円で5kgの自治体が多いが、弥彦村は10kg。しかも新潟のコシヒカリというブランドが人気を呼んだようだ。「さとふる」のサイトでは、「人気お礼品ランキング」で最高で第2位となり、トップページで紹介されたことも人気を後押しした。5日現在でも第4位にランクされている。
さらに12月9日にバラエティー番組「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」で、弥彦村に取材した「日本列島 ダーツの旅」が放映されたことも12月の爆発的な寄付の増加に奏功したようだ。すでに今年度、寄付額が5億円を超えた県下一のふるさと納税の実績を誇る燕市では、昨年12月は駆け込みがあっても実績は金額で11月の2倍ちょっと。弥彦村の12.2倍は尋常ではない。村の一般会計予算は約36億円なので、1億円は大きい。
当初、今年度は2千万円くらいの寄付があればと見ていたが、11月に入って間もなく達成。1億円超の寄付は予想もしておらず、想定外の事務量の多さにまさに担当者はうれしい悲鳴だ。
担当者によると、贈答品としての発送の注文も多いと言い、「都会では何がヒットするかわからず、お礼品のバリエーションを増やしていろんなものを扱っていきたい」と、ことしもさらにお礼品の内容を充実させていく考えだ。