平成28年燕市消防出初め式が10日、燕市吉田産業会館で行われた。1年の無災害を願って燕市、燕市消防団、燕・弥彦総合事務組合消防本部の主催で毎年行われており、雪が降ることも多いが、ことしは暖冬を象徴するように雨のなかでの放水披露に。また、燕市消防団の女性団員として初めて受けた日本消防協会長表彰の伝達も行われた。
消防団員約350人に本部職員も含めて約400人が参加した。鈴木市長は昨年、燕市内の火災は35件、前年に比べて3件増加。昨年は4月まで不審火が多発し、10月には南一丁目で10世帯を巻き込んだ火災で一人が死亡したことにふれ、住宅用火災警報器の設置を推進し、「消防本部、消防団、燕市が連携して防火啓発に努めたい」とした。
救急出動は3,226件で2,895人を搬送した。「これからも各種訓練を継続的して実施し、自助、共助、公助の役割をしっかりと確立しながら行政と地域住民が一体となった安全、安心で災害に強いまちづくりに積極的に取り組む」、「日ごろの取り組みの成果を生かし、市民の生命、財産を守るため、なおいっそうご尽力をたまわるよう重ねてお願いする」と述べた。
水戸慶一消防団長も1人の犠牲者を出した昨年の南一丁目の火災と年明けの八王寺の作業小屋が燃えた火災にふれた。「われわれ消防団は、さまざまな要因で火災が起こることを市民にアピールし、この燕市から少しでも火災や災害をなくすためにも消防団員一人ひとりが火災や災害を未然に防ぐんだという思いをもって、まず自分の家族、隣り近所に注意喚起し、ことし1年、われわれが住む燕市から少しでも火災や災害が少なくなることを祈念する」とした。
団員の消防関係の表彰状授与、団長表彰、来賓祝辞、万歳三唱のあと、駐車場に出て放水披露。消防団員が6台のポンプ車で6本の水柱を上げて無災害を願った。
表彰のなかで女性消防団員40人からなる女性部の部長、氏田昌子さん(57)は、日本消防協会長表彰の精績章を受けた。燕市消防団の女性消防団員が日本消防協会長表彰を受けたのは初めて。
氏田さんは合併前の旧燕市消防団が1996年に初めて女性消防団員を募集したときに入団し、団員歴20年。燕消防署の裏に住むこともあり「ふだんから消防署の訓練を見ていて、女性でもできる仕事があるなら」と自ら手を上げて応募した。
昨年10月に長岡市で開かれた第1回新潟県女性消防団員活性化大会には実行委員として参加。「大変だったけど、ふだんは接することのできないいろいろな人と情報交換できたのが良かった」と充実感を味わった。
「あっと言う間の20年だった。どんどん若い女性が興味をもって消防団に入ってくれるとうれしい。そのためにもっとPRしたいし、消防団員として育っていってほしい」と氏田さんは後進の育成の立場からも女性の入団を願っている。