燕市特別職報酬等審議会が12日、市役所で開かれ、特別職の給料は2%引き上げ、議員報酬は4%の引き上げを鈴木力市長に答申した。昨年はいずれも3%の引き上げ。4%の引き上げは燕市合併以来最大で、特別職と議員報酬の引き上げ率に差をつけたことも含めて、議員報酬が安すぎるという考えで一致し、問題提起につながることも期待する意思をもった引き上げ率とした。
鈴木市長が委嘱した公共団体の代表や経営者など10人の委員のうち8人が出席して審議し、鈴木市長に答申書を手渡した。答申では特別職の給料月額は2%の引き上げで市長87万7,700円(現行86万0,500円)、副市長66万6,700円(65万3,700円)、教育長60万4,800円(59万3,000円)、議員報酬の月額は議長39万5,800円(38万0,600円)、副議長32万8,300円(31万5,700円)、議員31万2,300円(30万0,300円)とした。
付帯意見として、議員報酬は議員定数が現行の24人が20人になる2018年まで人口規模などに見合うように今後も段階的に引き上げるとした。
特別職給料月額 2%引き上げ | ||
役職 | 答申 | 現行 |
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市長 | 877,700円 | 860,500円 |
副市長 | 666,700円 | 653,700円 |
教育長 | 604,800円 | 593,000円 |
議員報酬月額 4%引き上げ | ||
役職 | 答申 | 現行 |
議長 | 395,800円 | 380,600円 |
副議長 | 328,300円 | 315,700円 |
議員 | 312,300円 | 300,300円 |
毎年、市長の諮問を受けて次年度の特別職の給料と議員報酬を審議し、答申しているもの。昨年4月に地方教育行政の組織及び運営に関する法律が一部改正、教育長が一般職から特別職となったため、ことしは教育長の給料も含めて審議した。
燕商工会議所の田野隆夫会頭を会長、燕市男女共同参画推進委員会の丸山朝子委員を会長代理に決め、事務局が示した県内20市との比較で資料などを基に審議した。委員の意見は引き上げの方向で、とくに議員報酬の安さに意見が集中した。燕市は県内20市で人口は7位だが、議員報酬は8位。他市との相対比較だけではなく、そもそも議員報酬月額がほぼ30万円では絶対的に少なく、家族で生活していけないという声も。市議会の視察に行って燕市の議員報酬を聞かれると答えられないよう恥ずかしい状況だった話す委員もいた。
おととし12月31日の資料で、全国の人口8万人台の45市中、燕市は最下位の45位。すぐ上の44位とも6万円近い開きがある。昨年並みの3%の引き上げとしたところで、他市も同様に引き上げられると見られ、いっこうに差は縮まらないとして特段の引き上げを求める委員が目立った。
5%の引き上げを求める委員もあり、「議員報酬を5%引き上げでも市民にちゃんと説明すれば批判は招かないのでは」、「全国平均より10万円も安いのは異常事態では」。さらには「特別職と議員報酬に差がつくことで市民が疑問をもつ」、「市民が疑問をもつような答申も問題提起としてあると思う」、「特別職2%、議員報酬がその倍の4%を1回やってみて、わたしどもが市民の批判を受けましょう」と単に引き上げ率の数字を決める役割だけでなく、市民が議員報酬の安さを認識するメッセージを込めた数字を求める委員もいた。
一方で全国的には景気の好況感が伝えられても、地元ではあまり恩恵がないばかりか厳しさを増している事業所も多く、従業員の給料も据え置かれるているため、引き上げに慎重な態度の委員もいたが、特別職と議員で引き上げ率の差をつけるという考えに集約。最後に委員一人ひとりに引き上げ率の意見を求め、特別職給与と議員報酬の引き上げ率をそれぞれ2%と4%する案が4人、2%と3%が3人、1%と3%が1人。田野会長が引き受ける形で「特別職2%、議員報酬4%ということで決めさせていただきたい」とし、了承を得て決着した。