三条市立飯田小学校(大井英夫校長・児童118人)2年生18人は15日、地元下田郷のスノーピークキャンプフィールドでスノーシュー体験を行い、冬の自然のなかで雪原を自由に駆け回って思い切り体を動かした。
講師は見附市のプロトレイルランナーでトレイルランナーズ代表の松永紘明さん(35)。香港で開かれた元旦マラソン大会「UTMT」に出場し、23時間30分47秒の総合3位入賞果たしたまさにトレイルランニング界のトップランナーだ。
スノーシューは雪上歩行具で「西洋かんじき」と言えばわかりやすい。近年、冬期間のトレイルランニングやウインタースポーツとして人気が高まっている。
ひと冬に何度か屋根の雪下ろしをするのが当たり前の地域だが、この冬は記録的に雪が少ない。この日も少雪で開催が危ぶまれたが、数日前からの降雪でなんとか10センチから20センチくらいの積雪になった。
2年生のほとんどが初めてのスノーシュー体験。装着は難しくなく、松永さんは子どもたちから自分で考えて装着してもらい、わからなければ教えてあげた。
スノーシューで起伏のあるキャンプフィールドを歩いたり、走ったり、子どもたちの希望で鬼ごっこしたり、雪合戦したり。遊び感覚で夢中になって体を動かした。
香港でもほぼ24時間、走り続けたように松永さんの体力は超人的。鬼ごっこでは、鬼になった松永さんがわずか3分で2年生18人全員を捕まえ、子どもたちは降参。そのうちに子どもたちはスノーシューをはいていることも意識しなくなった。
松永さんは雪の中に手を広げて後ろに倒れて見せたり、氷の張った池の中にオタマジャクシが泳いでいるのを発見したり。雪がくぼんで水が見えている所には近づかないように話すなど、自然の中には学びがいっぴいあった。
松永さんは、「木はこんな寒い所にずっと立っているけど、みんなはすごく快適な所で生かされていることを考えて」、「ぼくが24時間、走れることに家族や食べ物に感謝ばかりしている」、「夢は必ずかなうとは言わないけど、感謝の気持ちで努力すれば必ずかなう」、「ゲームはつくられた世界。みんなの横にいる友だちを大切に。それが現実だから」。体育の授業だったが、子どもたちは同時に自然や道徳、友情なども同時に学んでいた。
たっぷり2時間、スノーシューで遊んだ子どもたちは、松永さんの「またスノーシューをやりたい人!」に迷わず全員が「はーい!」。「登ったり下りたりが楽しかった」、「すごい走りやすかった」とスノーシューのおもしろさも味わっていた。
飯田小では3、4年生はアイスリンク、5、6年生はスキー場へ出掛けてウインタースポーツを体験する授業を行っているが、1、2年生にはなかったので、昨年から2年生はスノーシュー体験を行っており、ことしで2年目。1年生は国営越後丘陵公園に出掛ける。