燕市粟生津地区のコミュニティー組織「親栄会」(荒木正美会長)は17日、ことしも地元の粟生津保育園西側で塞の神(さいのかみ)を行い、地元の家族連れなど400人近くが参加し、雪の中で燃え盛る火に無病息災や五穀豊穣を願い、小正月行事の風物詩を楽しんだ。
かつて地域で行われていた塞の神を1995年ころから親栄会が引き継いで行っている。ことしも午後0時半ころからもちつきを行って参加者にふるまい、昼食代わりに豚汁や揚げパンの販売、たこ焼きとたい焼きのキッチンカーで腹ごしらえして始まった。
例年ならこのあと地元のよさこいチーム「風雅」の子どもたちが踊りを披露するところだが、粟生津体育文化センターの体育館が耐震改修工事中で使えず練習できなかったため、ことしは見送り。午後1時から10人ほどが塞の神を囲んでいっせいに点火した。
塞の神は火災の危険がないようにことしは小さめで高さ4メートルほど。タケで円すい形の骨組みを作ってなかに古くなった縁起物や練習した書き初めを入れ、むしろを巻いた。たちまち炎に包まれて黒煙を上げ、思わず首をすくめてしまうほど大きなタケの破裂音が響いた。
火が収まるとタケ棒の先から下げたスルメを焼いた。スルメは200枚が完売。周囲にはほとんど雪がなく、雪とセットの塞の神のイメージとは遠かったが、ちらちら雪が舞うていどで風はほとんどなく、早くスルメを焼きたいけど炎に近づけば熱く、「あっち〜!」と笑顔でほっぺを真っ赤にしていた。