昨年末から弥彦村に出没しているサルは1月半ばを過ぎても毎日のように村内で目撃されており、しかも人の多いところに姿を現すようになって人に危害を加えることが心配されるが、7日に燕市の写真愛好家が弥彦神社で目撃したサルを写真に撮っていた。
サルを撮るチャンスに遭遇したのは、写歴約40年の燕市花見、服部健さん(65)。2003年に新潟県勤労者美術展で厚生労働大臣賞を受け、翌04年に旧燕市の燕大賞を受け、今は燕市美術協会副会長、新潟県写真芸術協会運営委員を務めるベテランだ。
7日は弥彦神社へ弓始神事などを撮影に出掛けてサルに遭遇した。弥彦神社の一の鳥居を入ってすぐのところ。サルは参道を横切って新しい弓道場の方へ歩いて行った。
「サルが出没しているという情報は聞いていたけど、まさかそこで出るとは思わなかった」と服部さんは思いがけない遭遇に驚いた。「カメラを向けていても、いつ襲ってくるかもしれないから逃げる体制はしていた」とびくびくだった。
しかし、サルは服部さんの方に向かって歩いてきて、10メートルほどの所まで最接近した。悠々と歩いて行き「人が慣れている感じがした」と服部さん。近くにいた女性にも注意をうながした。通り過ぎてからちょっと声を上げるとサルは振り返った。それがいちばん上の写真だ。
写真を見てもわかる通り、「元気そうで太っていて毛並みもきれいだった」。村では毎日のようにサルに注意するよう呼びかける防災情報メールを配信している。8年ほど前に実際に村内で女性がサルにけがをさせられたことがあったが、服部さんは「さる年にサルで、しかもその写真まで撮れて縁起が良かったと思う」と吉兆であることを願っている。