26日の「文化財防火デー」を前に20日、国登録有形文化財に登録されている三条市水道局大崎浄水場で防災訓練が行われた。
「文化財防火デー」は、昭和24年に法隆寺金堂で火災が発生したのを機に制定され、この日にあわせて全国各地で文化財の防災訓練が行われている。
三条市は三条市歴史民俗資料館(旧武徳殿)が市初の国登録有形文化財に登録されたのにちなんで2010年から訓練を始め、昨年は市指定文化財を保存する真言宗智山派来迎寺(井栗3)で行うなど文化財に関連した建物で実施している。
大崎浄水場は、昭和8年(1933)年の建築で、2011年10月に国登録有形文化財の登録を受けており、同訓練の実施は初めて。
訓練は、登録を受けた12件のうちの事務室棟で行い、市水道局職員人と地元中新の自治会など地域住民、市関係者、消防本部職員など40人余りが参加した。
午前9時半に事務室棟から出火の想定で始まり、職員が119番通報や重要品の搬送などを行って、建物から避難。まもなく到着した消防車が建物に放水して火を消した。
続いて、水消火器を使っての初期消火訓練を行った。「火災のほとんどは初期消火で消せる」と消防職員から消火器の取扱いや火災を発見した時にすることなどの説明を受け、順番に訓練した。
煙や火に気づいたらを近所の人などにも聞こえるように「火事だ」と大きな声で周りに知らせることは、声を聞いた人から119番通報してもらうためにも重要。消火器の使用では、ホースの先を持つこと、燃え上がっている炎にかけるのではなく、燃えている物にかけることなどを聞き、参加者は「火事だ〜、火事だ〜」と大きな声をあげて実践した。
同本部では、文化財の保護には、地域の人の協力が欠かせないと話し、訓練への参加に感謝するとともに、理解と協力を求めた。