三条・燕・西蒲仏壇組合(山田貴之理事長)は19日、総合学習の一環で「伝統的工芸品」を学習する三条市立三条小学校4年生に出張授業を行い、児童から国指定伝統的工芸品「三条仏壇」の製造技術を体験してもらった。
同組合は、三条、燕、旧巻町などで仏壇の製造に携わる8社で組織。昭和55年に国指定伝統的工芸品となった「三条仏壇」をはじめ、伝統工芸への理解を深めてもらおうと、15年以上前から三条市内の小学校へ出向いて、「伝統工芸」の学習を行っている。ことしは、三条小学校をはじめ、15日に裏館小学校、22日に西鱈田小学校の計3校で授業を行った。
三条小では、児童13人が参加。同組合の伝統工芸士など職人3人が講師を務め、だるま型の人形や金屏風などを作るなかで、仏壇を作る工程の「木地」、「金具彫金」、「金箔張り」、「蒔絵(まきえ)」の4つの仕事を体験した。
子どもたちの手のひらに載るくらいの大きさの丸い人形型に、蒔絵の技法で絵を書き、一緒に飾る屏風に金箔を張る。木地の仕事は台作り、金具彫金の仕事は銅板のネームプレート作りで体験した。
蒔絵体験は、えとのサルやキャラクター、動物や創造の人形など好きな絵を考えて、代用漆で下絵を描く作業からスタート。細い筆を持った児童は、「あー、どきどきする」、「手が震える〜」と緊張して書き始め、集中した。下絵ができらたストーブのそばで乾かし、下絵に色の粉をつけて完成だ。
金箔は、純金を叩いてごく薄い状態に伸ばしてできており、仏壇の金箔張りの作業場は、風が入らないように窓は閉め切り、ファンヒーターやエアコンなども使用しないという。その薄さから、くしゃみをしても飛んでいくので気をつけてと聞いた児童たちは、口と鼻を手で押さえて目を見合わせた。
児童たちは、職人の話に驚いたりしながら教科書を使わない授業に集中。「こうしたいんですけど、どうしたらいいですか」と積極的に手をあげて質問したり、「超たのしい!」と目を輝かせていた。