燕市では、空き家等の対策に関する協定締結団体5団体とともに新年度、全国でも初めてと思われる連絡協議会を発足させるのに向けて29日、最後に残った燕市自治会協議会との協定を締結した。
市役所で協定締結式を行い、鈴木力市長と自治会協議会の田辺一郎会長が協定書に調印した。今回の協定は、市内の空き家などが周辺環境に与える影響を未然に防ぎ、市民が安全で安心に暮らせるまちづくりを進めるのが目的。地元自治会が地域の空き家などを見回り、市に情報を提供する。市はその情報を基に実態調査を行い、空き家などの活用と適性管理などの促進を図る。また自治会は空き家の有効活用を検討する。
燕市は来年度、(仮称)空き家対策連絡協議会を発足させる。昨年6月に燕市シルバー人材センターと空き家の適性管理に関する協定を締結したのを皮切りに、協議会の構成団体となる燕市建設業協同組合、新潟県宅地建物取引業協会、新潟県司法書士会と空き家に関する協定を締結し、今回の燕市自治会協議会で予定した5団体すべてと協定を結び、協議会発足の下地が整った。
鈴木市長は「ねらっていたネットワークはひとまず形ができた」とした。これまで2年数カ月の空き家対策の取り組みで23件の空き家が解体されたが、その間に新たな空き家が20件くらい発生。市でも一度、市内の空き家を把握したが、状況は日々、変わっており、「その正確な把握を地域に住む、リーダーシップをとる自治会長の協力は非常に心強い」。
空き家の利活用、空き家をいったん燕市に寄付してから自治会に譲って自治会の集会所に使うなど、「自治会が間に入ることで、遺族の意向を把握し、ひとつのパイプ役になっていただけるのでは」と期待した。
燕市自治会協議会の田辺会長は、先の理事会で今回の協定締結で満場一致で賛成したことを話し、「この機会をとらえ、空き家は市の担当に報告し、利活用うできるのは市と協働で利活用すればスムーズにいくのでは」、「空き家の資産の管理はあくまでも持ち主、親せきがするのが妥当。どうしても維持管理できないときはどうするか。そこへいくまでの前段階で自治会が情報提供する」と今後の取り組みを話した。