燕市と株式会社第四銀行(並木冨士雄頭取)は29日、移住促進に関する協定を締結した。
鈴木市長と第四銀行燕支店の高橋浩司支店長が協定書に調印した。第四銀行は同じ日に燕市を含め第四銀行側から移住定住の熱心な新潟市、上越市、十日町市、見附市の計5市に声をかけて同様の協定を結んだ。
第四銀行は一般社団法人移住・住みかえ支援機構(JTI)とマイホーム借り上げ制度で提携している。この制度は、50歳以上の持ち家を借り上げて転貸し、安定した賃料を保証するシステムで、全国で運営している。これによりシニアが自宅を売却せずに住み替えの資金に活用でき、転貸された家は子育て世代などの若年層などを対象に賃貸住宅として提供されることで、社会の財産として活用される。
第四銀行は4月1日に移住する人が新規に住宅を購入するためのローン「だいし住み替え住宅ローン」を新設。住み替え前の住宅ローンの残高がある場合の借り換えにも利用でき、移住前や空き家となっている家をJTIが借り上げることで確保できる賃料収入が返済の原資になる。
協定では両社で移住希望者に対する情報発信、情報提供で協力する。具体的には、自治体で第四銀行のJTI提携ローンの紹介と第四銀行による自治体の移住者向けの支援策の紹介を行う。
鈴木市長は、地方創生で人口減少に歯止めをかける手段のひとつが移住定住で、市も昨年から力を入れ、移住定住窓口もをつくり、地域おこし協力隊も使って首都圏から若者の移住を促す取り組みを行っている。「移住のハードルを下げてくれる取り組み」で燕市を選んでくれたことを喜び、「ぜひこういった制度を、環境を生かしながらひとりでもふたりでも首都圏や県外から燕市に移住する人が増えるようにこれからも一生懸命取り組みたい」とした。
高橋支店長は「燕市との連携は大きな意義があると感じる。これまでなかなか越えられなかった壁を超えていく可能性を秘めていると感じる」と述べた。燕市はUIJターンを促す「東京つばめいと」の立ち上げなど、定住や移住の促進に向けた各種の支援策を継続し、鋭意進めている自治体と認識しているとし、「県、国をリードする移住を促進するようなものになっていければ」と願った。