田上町が国道403号バイパス沿いに建設を計画する道の駅「(仮称)たがみ」が、国道交通省の平成27年度重点「道の駅」に県内で唯一、選定された。国、県が財政支援する一体型の道の駅として「近き者よろこびて、遠き者来る」をコンセプトに地元の農業、商工業者、大学などと協働してバイパスの全通にあわせて2020年春のオープンを目指す。
今年度の重点道の駅には全国から56の企画提案があり、38カ所が選定された。田上町の計画は、町役場とバイパスの間の約1万平方メートルの敷地に、3階建て延べ床面積約2,500平方メートルの(仮称)地域交流会館、加えてトイレ、休憩所、直売所、コンビニ店などの道の駅機能をもつ施設を整備する。駐車場は大型車7台、小型車100台ていどを収容する。
建設費は交流会館が12億5,000万円から14億5,000万円、道の駅機能部分が1億2,500万円から1億5,000万円、合わせて14億円から16億円を見込む。現在で国費率の上限が4割となる国交省の社会資本整備総合交付金を活用する方針で申請している。
地域交流会館は1960年建設の田上町公民館(旧町役場)の代替施設と町民の生涯学習の拠点として生涯学習機能をもった施設として整備し、建設に伴って田上町公民館は撤去する。自主サークルが活動する研修室や多目的ホールを備え、まちづくりの新たな核となる施設と位置付ける。
道の駅機能の建物では、町民から要望のあったコンビニ店など、既存の国道403号沿いの商店街の既存店舗の出店をうながす。JR信越線の羽生田駅から直線で約600メートルと近く、コンパクトシティのまちづくりの考えもあり、道の駅と集落地域などを結ぶ公共交通、宅配サービスも導入する。地元商工会が中心となってつくる、にぎわい創出組合による指定管理者制度の運営を考えている。
町は地元の新潟薬科大学、新潟経営大学、新潟中央短期大学と連携協定を締結しており、この3大学も含めて国、県、町と協議会を設置し、計画段階から大学も含めて検討する。
佐藤邦義田上町長は1日、記者会見を行い、「人口減あるいは少子高齢化が進む中で、地元大学との連携により若者と一緒に町を元気にする、地域の魅力を内外に発信する交流拠点を目指す」、「公共サービス・地域サービス機能を集約したコンパクトな地域の拠点として、町民の日常生活、生きがい、、健康を支える“にぎわい・交流の拠点形成”にむけて国、県等の関係機関と協議しながらしっかりと取り組む」と話した。