「節分」の3日、三条市・法華宗総本山本成寺は節分会が開かれ、真冬の寒さのなか行なわれた名物の鬼踊りの披露は、昨年と同じ2万人(主催者発表)の善男善女でにぎわった。
「立春」の前日の節目の春を呼ぶ恒例行事。ことしは1月末の大雪で境内には20センチほどの積雪があり、気温は2度前後でときどき雪がちらついた。
鬼踊りは午後1時と3時からの2回、本堂で行われた。門谷日悠貫主と山内寺院住職の読経に始まり、参拝者の頭の上で木剣を打ち鳴らして、厄災をはらった。
うちわ太鼓の音とともに僧兵が現れると鬼踊りが幕開き。大きなドラの音が鳴り響くと貴、緑、黒、青、赤の5色の鬼と三途川婆(そうづかば)が、本堂内の特設舞台に「うおー!」とうなり声をあげながらゆっくりと登場すると、親にしがみついて顔をうずめ、鬼を見ないようにしている子どももいた。
鬼たちが大暴れして20分ほどの鬼踊りを披露すると、門谷貫主の「福は内」のかけ声を合図に、泉田裕彦県知事や国定勇人三条市長、菊田真紀子衆議院議員はじめ内陣の来賓やお祓いを受けた人たちが一斉に豆をまき、ばらばらと音を立てるほど大量の豆をぶつけられて鬼たちは退散。境内の鐘楼堂で鐘をつくとつのが取れて改心したとさ、という筋書きだ。
燕市の3歳の女の子と1歳の男の子を連れた家族は、初めての見物で「迫力がありました」。子どもたちは鬼踊りの前に、鬼と遭遇してすでに大泣きしていたが、鬼踊り本番は、「怖くなかった」、「おもしろかった」と涙は見せずに、じっくりと見物し、豆まきを楽しんだ。
燕市分水地区から数年ぶり2回目の見学に訪れた夫婦は「厄落としにでもなればと思って」。境内で次々と赤ちゃんを抱いて記念写真に収まる鬼はもみくちゃで、若者も「まるで芸能人らね」とその人気に驚いていた。