神奈川の自宅で料理教室を開く加茂市出身女性が神奈川と新潟の2拠点生活をスタート、月の半分は新潟でレッスン (2016.2.10)

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神奈川県川崎市の自宅でアットホームな料理教室「Margarita’s Kitchen(マルガリータキッチン)」を開く加茂市出身の大宮優子さん(38)。ことしから月の半分は実家で過ごすことになり、ふるさとでも料理教室を始め、2拠点生活となった。ただ料理を学びに来るだけでなく、ネイルサロンやマッサージのようなゆったりとリラックスした時間を過ごせる充実感を感じられる教室を目指している。

三条ものづくり学校で料理教室を開いた「Margarita’s Kitchen」の大宮優子さん
三条ものづくり学校で料理教室を開いた「Margarita’s Kitchen」の大宮優子さん

6、7の2日間、三条市・三条ものづくり学校で料理教室を開いた。テーマは「寒さなんて吹っ飛ばせ!真冬のエスニック料理」。タイやベトナムの料理を中心に献立は鶏肉のフォー、海老トースト、ヤムヌア(ビーフサラダ)、ピニャコラーダのアイスクリームだ。

参加費は自宅教室並みの5,000円。新潟では決して安くないが、2日間とも申し込みが定員に達した。会場の調理室は余計なものはできるだけ隠し、頭上にフラッグガードを飾った。器は一部を除いて自前で用意。予算内で「Margarita’s Kitchen」の世界観が伝わる、料理がおいしく見える器を選んだ。

調理台にテーブルクロスをかけてから並べた料理は一段とおいしそうに
調理台にテーブルクロスをかけてから並べた料理は一段とおいしそうに

料理が終わると調理台にテーブルクロスをかけ、そこにあらためて料理を載せて試食。料理の色合いや盛りつけにも美しさを求め、調理室がまるでおしゃれなレストランのような空間に生まれ変わった。

参加者の多くは、三条ものづくり学校がホームページなどに掲載した料理のおいしそうな写真を見たり、三条ものづくり学校が紹介する料理教室なら一風変わった教室だろうと期待感をもって参加した。ハードルを上げて参加したが、完成した料理を並べると「すてき!」と目を細め、写真に撮ってまたにっこり。今後も参加したいと口をそろえて大満足だった。

頭上をフラッグガードで飾る
頭上をフラッグガードで飾る

優子さんは三条高校を卒業。予備校に通っているころにフレンチレストランが舞台のテレビドラマ「王様のレストラン」に触発され、大学へは進まずに上京して服部栄養専門学校へ。卒業して都内のレストランに勤務すると外国人の多い職場だったこともあり、24歳のときにバハマと米国を旅してからいつか再び世界へと心に決め、「世界のいろいろな文化にふれてみたい」と26歳から27歳にかけて7カ月間、バックパッカーとなって世界を旅した。

帰国後は大手料理教室講師になった。友人が始めたビジネスの手伝いで、数年前から外国からのツーリストに自宅で和食の調理を教える仕事を始めた。親の介護で月の半分は加茂の実家で過ごさなければならなくなったこともあり、2014年7月に自宅で「Margarita’s Kitchen」をスタート。勤め先の料理教室講師はやめ、4人までの少人数制で異国情緒漂う世界のさまざまな料理を教える。ことしからレッスンは月の前半1日から15日は新潟で、16日から31日は神奈川で開く。

アルファベットオブジェで「MARGARITA」
アルファベットオブジェで「MARGARITA」

優子さんを支えるのが夫の昭夫さん(38)。父が日本人、母がコロンビア人でベネズエラに生まれ育った日系二世。ふたりは05年に出会った。優子さんは帰国後、スタッフも客も外国人が多いライブバーで働いていた。そこのベネズエラ人スタッフの友人だったのが昭夫さん。09年に結婚した。

昭夫さんは高校を卒業すると、仕事で日本で暮らしていた父を頼って17歳から2年間、日本で暮らした。帰国してグラフィックデザイナーとして働いた後、再び日本へ。日本での生活も16年になるので日本語はぺらぺら。フリーのデザイナーとして自宅で仕事をしているので、優子さんと一緒に神奈川と新潟を行き来して2拠点生活をしながらデザイナーの仕事を続ける。

優子さんの料理の写真を撮ったり、フライヤーをデザインしたりはもちろん、レッスンも手伝ってくれる。三条ものづくり学校での教室も昭夫さんが手伝い、その飾らない人柄で受講者と接し、場の雰囲気を和ませた。

仲良しな優子さん、昭夫さん夫婦
仲良しな優子さん、昭夫さん夫婦

DIYが大好きで、巨大ホームセンターは昭夫さんにとってテーマパーク。「木の使い方や選び方を勉強して、マルガリータがうまくいったら、テーブルを自分で作りたい。いろんなものをオリジナルで作ってみたい」と張り切り、優しい目を細める。優子さんの父はもともと加茂市の伝統工芸品でもある桐たんすの職人だった。燕三条地域を中心としたものづくりのまちにも、すぐになじめそうだ。

優子さんは「日本は世界中の料理が食べられ、世界中の食材が手に入る環境がある。せっかくなのでいろんな世界の料理を知ってほしい」と言う。「わたしは寿司も納豆ご飯も大好きだけど、ほかにも世界にはおいしい料理がたくさんある。日ごろ使わないスパイスやハーブ、珍しい調味料の使い方を伝えたい。知らないことを知るのは楽しい」と知識欲も満たして欲しいと語る。

優子さんの料理を昭夫さんが撮影、デザイン
優子さんの料理を昭夫さんが撮影、デザイン

首都圏では日常的に食事を自分で作らない人も多く、ベーシックな料理を教えてほしいという要望が多いが、新潟ではふだん作らない料理の要望が多いと見る。いずれにしろ優子さんが目指すのは、日常と離れた特別な空間と時間の流れだ。「アットホームな雰囲気のなかでリラックスして和んだ気持ちになってほしい」。

新潟では、ほかにもレッスンのできる会場や拠点も探している。料理を教えるだけでなく、ケータリングや出張シェフ、期間限定のレストランで提供するポップアップ・ディナーなども手掛けたい考えだ。次回、三条ものづくり学校では、3月5日の昼と夜、翌6日の昼の計3回、開く。「Margarita’s Kitchen」に関する問い合わせはメール(yuko@conmiartetengo.com)やフェイスブックページ(https://www.facebook.com/margaritahome/)で。

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