燕市は13日、燕市文化会館でロックシンガーのダイアモンド☆ユカイさんを講師に不妊治療啓発講演会「産み育てたい!ダイアモンド☆ユカイの未来のパパ・ママへのメッセージ」を開き、ユカイさんから不妊治療の実体験などを聞いた。
約250人が来場し、新潟大学男女共同参画推進室の林はるみ准教授が「産み育てるための身体づくり」をテーマに講演したあと、ユカイさんとふたりでトークセッションを行った。
ユカイさんはロックバンド「RED WARRIORS」のボーカルとしてデビューした。再婚後、男性の100人に1人と言われる無精子症ながら不妊治療を受けて成功。47歳で父親になった。この日は大きな花柄のシャツにえんじ色のシックなジャケットを着て登壇し、とても53歳には見えない若々しさだった。
ユカイさんは子どもできないことから8年ほど前から妊娠クリニックを受診し、医師に「精子ゼロです」と無精子症を告げられたことから話した。子どものころに無精子症になることが多い鼠径(そけい)ヘルニアをわずらった。
顕微授精という不妊治療を受け、北九州市で受けた3回目の治療で妊娠に成功、長女をもうけた。ユカイさんは子どもができなことに「俺のせいでこんなになっている」と思い悩み、妻に離婚も提案したが、妻は「ユカイさんが子どもみたいな人だから、ユカイさんが子どもだと思って頑張っていきましょう」と言ってくれた。
不妊治療を受けて医師から「着床していませんでした」という言葉を聞くと落ち込み、不妊治療を受けた2年間を20年間のように長く感じた。妻との関係もぎくしゃくし、大げんかをして妻が家を出て行ったこともあった。
そんな過去を笑いをまじえながらおもしろおかくし話した。来場者のなかにはユカイさんのファンと思われる若い人の姿も目立ち、ユカイさんは最後に演奏もサービスした。
燕市特定不妊治療費助成事業など燕市は不妊治療を支援しており、2014年度は45組が助成を受け、11人の出産があり、今年度は1月末までに35組が助成を受け、13人が妊娠している。