三条市は19日、平成28年度一般会計当初予算概要説明会を開き、一般会計では前年度比1.3%、5億8700万円増の460億9200万円の予算を示し、国の補正予算を活用した補正予算一体とした編成としては「新たな価値観によって未来に漕ぎ出す13カ月予算」とした。
国の補正予算(一億総活躍社会の実現等)を受けて一体化した「13カ月予算」は、前年度比0.1%(4,400万円)減で、国定市長は、「ものづくりのまち」という特性を軸とした地方創生の実現に取り組んでいくとした。
編成方針については、平成28年度から財政優遇措置である普通交付税の減額が始まり、一般財源の確保がより厳しくなるなか、歳出は交際費や扶助費などの義務的経費や老朽化する公共施設等の維持補修費や整備費などの増加が見込まれ、財源不足を財政調整基金でまかなう財政運営が当分の間は続くものと想定しているとした。
一般会計の予算規模
460億9200万円(前年度比 5億8700万円増、伸び率1.3%)
三条市全体の予算規模(一般会計と特別会計の合計)
713億2440万円(前年度比 10億1580万円増、伸び率1.4%)
このような状況でも、まちづくりの指針である総合計画に基づく施策を確実に実行していくため、事業の選択と集中を行い、財源の重点化を図りながら予算編成を行う。
区分 | 平成28年度 (A) |
平成27年度 (B) |
比較 | |
---|---|---|---|---|
増減額 (C)=(A)-(B) |
増減率 (C)/(B) |
|||
一般会計 | 46,092,000 | 45,505,000 | 587,000 | 1.3 |
国民健康保険 事業特別会計 |
11,059,400 | 10,914,200 | 145,200 | 1.3 |
後期高齢者医療 特別会計 |
896,700 | 914,700 | △18,000 | △2.0 |
介護保険事業 特別会計 |
9,772,000 | 9,134,600 | 637,400 | 7.0 |
農業集落排水 事業特別会計 |
730,100 | 715,200 | 14,900 | 2.1 |
勤労者福祉共済 事業特別会計 |
15,000 | 14,000 | 1,000 | 7.1 |
公共下水道事業 特別会計 |
2,759,200 | 3,110,900 | △351,700 | △11.3 |
合計 | 71,324,400 | 70,308,600 | 1,015,800 | 1.4 |
重点政策では、少子高齢化、人口減少がもたらす危機的な状況を乗り越え、総合計画に掲げた将来都市像「豊かな自然に恵まれた 歴史と文化の息づく創意にみちたものづくりのまち」の実現のための3つの処方箋として、昨年と同じく「このまちの基礎体力を向上させる」、「人を去らせず、来たる人を追い求め、歓迎する」、「人口減少社会、少子高齢化社会と共存していく」と示して展開する。
主な新規事業などは、平成30年度の開校を目指す大崎中学校区小中一体校の建設事業(12億1584.6万円)、体育文化センター・総合体育館改築事業(8億0883.8万円)、病児保育事業(2330.2万円)、子育て拠点施設の運営(3401万円)。
栄スマートインターチェンジ周辺に新たな工業流通団地を設置の検討(50万円)、平成28年4月下旬開設予定の保内地区交流拠点施設運営事業(1617.2万円)、県央基幹病院の開院に向けた環境整備の促進(7.8万円)。
農業担い手確保育成事業(8778.2万円)、東三条駅周辺の公共交通の検討(29.8万円)、コト・ミチ人材活用事業(2819.4万円)、IT系企業サテライトオフィス誘致事業(224万円)、オリンピック・パラリンピック活用地域活性化首長連合事業(1241.9万円)なども盛り込んだ。