済生会三条病院は17日、県内唯一の母性看護専門看護師を講師に第33回県央地域医療連携勉強会を開き、燕三条地区の学校の養護教諭や保健師などが参加し、「助産師が実践する思春期の子どもたちへの支援」のテーマで聴いた。
県央地域医療連携勉強会は、地域医療の連携を深めるために済生会三条病院が主催し、主に医療従事者を対象にした内容で年数回、開催している。今回のテーマでは初めての開催。
講師は、済生会三条病院の吉森容子さん(46)。吉森さんは県内で1人だけ、全国で61人しかいない母性看護専門看護師。専門看護師の制度は「複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた専門看護師」。母性看護とは、がん看護、精神看護など11分野の中の1つで、女性と母子に対する専門看護を行い、主な役割は、周産期母子援助と女性の健康への援助という。
午後7時から同病院で開き、三条市や燕市の小中学校や高校などを中心に案内し、養護教諭や教諭、保健師など16人が参加した。内容は、思春期を取り巻く環境と特長、性教育の実践についてなど。
吉森さんは、「生や性に関する正しい知識、助産師として実践していること、大切に思っていることについてお話したいと思います」と始め、思春期における性的発達や性行動、中学生の性などを女子と男子に分けて説明。現代の思春期における問題については、さまざまな要因もある女子の不妊症については思春期から予防できるものもあること、男子の現代の特徴では性行動の不活発化、また、男性不妊も増えていることなどもふれた。
妊娠や出産、現代の思春期の問題では、支援の方法として「意思決定を支援する」ことなども話した。
吉森さんたち産婦人科の看護師は、赤ちゃんや患者と接する時は、よく観察する、語りかける、さわるなど、関心をもって接し、看護をする。妊婦さんであれば、顔色や表情なども見ていると言い、そういうことはいろいろな人と接する時に大事とした。
参加者は1時間半の勉強会をメモを取りながら熱心に聞いた。小学校の養護教諭は、「充実した大変興味深い話だった。個別相談など子どもたちの先を見通したときの健康相談などで役立てたい」、中学校の教諭は、「学校でも(授業で)しているが、勉強になった」と話していた。
吉森さんはじめ同病院の助産師は、近隣の小中学校や高校で性教育の実践に携わることもあるほか、地域住民の健康づくりのためにと、毎回テーマを変えて同病院で開いている健康教室の一環で、女子高生を対象にした「人生を変える★ガールズアクション」を年1回開催し、素敵な女性に成長していくための講義も行っている。