亡くなった妻の香典返しにとマグネシウム研磨の開発者の高橋薫さんが三条市に10万円を寄付 (2016.2.24)

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マグネシウム研磨の開発者で「にいがた県央マイスター」の高橋薫さん(68)=三条市西裏館1、高橋研磨工業所=が23日、ともに仕事をしていた妻の香典返しとして、福祉行政に役立ててほしいと10万円を三条市に寄付した。

国定市長に10万円を手渡す高橋薫さん
国定市長に10万円を手渡す高橋薫さん

高橋さんは2006年にバフ研磨(作業工具)の分野で県央マイスターの認定を受けた。常に次代のニーズを先取りし、新素材の研磨にも積極的に挑戦するという姿勢で、形状や重量に精度が要求されるゴルフクラブヘッドの研磨方法を開発。ほかの研磨業者に技術指導を行い、産地化の基礎を築いた。

高度な技術を自分だけのものにせず、自身の経験や技術、勘などもオープンにして指導するスタイルで、若者の指導も積極的に行い、研磨業界の将来に大きく貢献していると紹介されている。

その高橋さんとともに、研磨の仕事を支えてきた妻信子さん(当時64歳)が、県立三条テクノスクールの生徒の実習を自社で行っていた昨年12月4日に倒れ、病院に運ばれたが2日後の6日に亡くなった。

笑顔で国定市長と話す高橋さん
笑顔で国定市長と話す高橋さん

信子さんは、平成10年から19年まで三条市の民生委員も務めていた。高橋さんは、信子さんを「民生委員をするくらいだから、活発な人」、「面倒見のいい人」と言い、仕事の面は大丈夫だが、今は洗濯や食事などが大変だと話していた。

午後1時半に市役所を訪れた高橋さん。信子さんが民生委員を退職した際に贈られた厚生労働大臣名の感謝状を持参し、三条市の福祉のために役立ててほしいと国定勇人市長に善意を手渡した。

県央マイスターをはじめ、燕三条工場の祭典などにも元気あふれる笑顔で貢献する高橋さん。この日も変わらない笑顔で冗談ぽくだが、「これからおれもどれだけ頑張れるか」とちょっと弱気な発言も。国定市長は「いや、最低でも(まだ)10年でしょう」と、エールを送り、引き続き後継者育成や事業への協力を求めた。

三条市は、寄付について、三条市社会福祉基金に積み立て、必要なところに使わせてもらいたいとしている。


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