「湊(みなと)にいがた 雛人形 町めぐり」の一環で2月27日から3月6日まで新潟市西蒲区西蒲区岩室温泉、能面アトリエ「無匠庵(むしょうあん)」で昨年に続いて江戸末期の古いひな人形やつるし雛の特別公開が行われており、さらにことしは岩室の旅館やホテルを会場に「岩室温泉ひな巡り」も行われている。
無匠庵は築100年にもなる芸者の置き屋だった日本家屋を活用している。古いものではどこのものかわからないが、新潟市西蒲区福井で旧庄屋佐藤家を管理する斉藤文夫さん(82)が入手した江戸時代末期の古今雛(こきんびな)一対。当時にならって今とは逆に男びなを向かって右に置いて床の間に飾っている。
ほかにも戦後間もない昭和22年、29年に購入した段飾りやつるし雛、昭和天皇が18歳のときに描かれた昭和天皇の香淳皇后が18歳のときに描いた「雛之図」の絵皿の複製、斉藤さんが収集したひな人形に限らないさまざまな土人形を至る所に展示。古い建物と相まって趣のある空間を演出している。
週末は1日に百人を超す人が見学に訪れ、「やさーしーお顔だちだこと」、「もののない時代によくこんな立派なひな人形があったもんだ」とじっくりとひな人形に見入っていた。
ひな祭りにあわせて貴重な文化遺産でもあるひな人形を新潟市内の公共施設や博物館、ギャラリーなどに展示する「湊にいがた 雛人形 町めぐり」に参加を求められ、昨年初めて岩室まちあるきガイドのグループと新潟市岩室観光施設「いわむろや」の主催で無匠庵にひな人形を展示した。
ことしは岩室地域コミュニティ協議会(真島彰会長)が主催し、2月上旬から3月中旬まで開かれている「湊にいがた 雛人形 町めぐり」の新潟市内18の展示会場のひとつとなっている。
あわせて同協議会は、岩室温泉にひな人形を飾る「岩室温泉ひなめぐり」を企画。無匠庵に展示するひな人形を含めて岩室地域に展示するひな人形を募集するちらしを全戸配布し、会場によって展示期間は異なるが、2月1日から3月22日まで岩室温泉の旅館、ホテル、レストラン、公会堂、郵便局などに15カ所に展示している。無匠庵の展示は毎日午前10時から午後4時まで。