三条市議会3月定例会の初日1日、国定勇人市長が施政方針演説を行った。新たな時代と過去の時代とが交わる汽水域に立つ「転換点」と今を位置付け、「過去に区切りをつけた我々の眼前には、新たな価値観によって自ら船をこぎ出すための大海原が広がっている」と述べ、市民と力を合わせ、積極果敢な市政展開を行うと平成28年度の施政方針を示した。
国定市長ははじめに、少子高齢化や人口減少社会への対応を最重要課題とした新たな総合計画を昨年、策定したことをはじめ、144年の歴史を刻んできた三条小学校の閉校や体育文化センターの利用中止を決断するなど、長くつながる歴史に一つの区切りをつけた節目の年。また、53年の時を経て新保裏館線が今月開通し五大事業にめどがつくことなどを話した。
また、少子化の時代にあっても最適な教育環境を維持していくために進めてきた小中一貫教育の取り組みの成果が見え始め、産業振興の新たな施策も整いつつあること、県央基幹病院の建設候補地の決定が代表するように今後のまちづくりの核となりえる要素がそれぞれの地域で具体化しつつある。そこを基軸に、複雑化するニーズに的確に対応すべく、多極分散のまちづくりに向けて、いよいよ都市機能を再構築していかなかればならない。
さらに、「このまちに足らざる機能は何かを真剣に考え、現在の価値観に照らし合わせながら、これまで集積された社会インフラの在り方を見直し、それぞれの価値を高めていく、我々はそうした転換点に立っている」、「今、あらためてこのまちを眺めると、そこには先人が築いてきた多くの社会資本と無限の可能性が広がっている」、「将来都市像の実現に向けた長期的な展望の下、総合計画という羅針盤を手に、期待と希望に満ちあふれた大海原へと船をこぎ出す年にしてまいるう」と、50分間の演説を行った。