三条市の「まちなか文化祭」の一環で、三条市丸井今井邸を会場に1日から6日まで「春をつげる つるし雛展」が開かれており、三条市鶴田出身の姉妹が製作したつるし飾りなどの作品を市内外から大勢の人が訪れて楽しんでいる。
つるし雛などを製作したのは、静岡県在住の中沢幸子さん(70)と三条市上保内の山崎洋子さん(68)の姉妹。一昨年に鶴田地内の実家田巻邸で初めて作品展を開き、昨年は大崎公民館保内分館クラフト展で展示され、今回が3回目の作品展。
つるし雛は、桃の節句の雛人形の両側に、はぎれで作った縁起物や人形などをつるす習慣で、子どもの成長を願う深い愛情が込められている。その風習は全国でも珍しいとされ、幸子さんが嫁いだ静岡県では「雛のつるし飾り」として伝えられているという。
丸井今井邸の1階の2間に展示された作品は、「つるし雛」の女雛と男雛のほか、まゆ玉のようなものや花の形をした飾りなどの「つるし飾り」など。モモやサル、三角、ウサギ、巾着、俵ネズミ、ハマグリ、座布団、唐辛子など一つひとつがていねいに作られた数えきれないほどたくさんあり、赤やピンク、青や黄などカラフルな色にあふれている。
ちょうど「ひな祭り」の3日は、朝から切れ目なく見学の人が訪れ、「わー、すごいねー」と顔を近づけてじっくりと鑑賞。幸子さんと洋子さんに作り方を聞く人も多く、「ひとつは簡単なんですよ。それを100個つなげて・・、それが5本だと500個に」との説明に、「作る人は簡単っていうけど、わたしにはできないて〜」と根気の積み重ねに驚いていた。つるし雛展は、午前10時から午後4時まで。入場無料。