燕市の3月定例会初日の7日、鈴木力市長は施政方針演説を行った。鈴木市長は最後に「私は、先人たちがこれまで築き上げてきた成果を土台とし、更なるアイデアと工夫を加えながら、人口減少対策など様々な課題に積極的に取り組み、地方創生のモデルケースと言われるよう、職員一丸となって『日本一輝いているまち』の実現を目指す」と宣言した。
鈴木市長は「3つの人口増戦略」を重点テーマに全国に先駆けて人口減少対策に取り組み、昨年10月の国勢調査の速報値では燕市の人口は79,814人だった。2008年策定の燕市総合計画で設定した15年の目標人口8万人を186人下回ったものの、国立社会保障・人口問題研究所が前回の国勢調査を基に推計した7万9,583人を231人上回った。
10年と15年の国勢調査の人口比較では、燕市は県内30市町村の中で増減率が良い方から5番目、20市に限れば新潟市に次いで2番目となり、一概には言えないとしながら、「市が他に先駆けて取り組んできた人口減減少対策の効果が出始めているのでは」と評価した。
来年度は先に策定した第2次燕市総合計画の初年度であり、「地方創生に向けてさらに前進していく重要な年度」と位置付け、となります。予算編成は総合計画に掲げる重点施策や人口減少対策などに重きを置いて予算配分した。
なかでも妊産婦医療費の無料化をはじめ子育て支援の充実、職場体験や農業体験を通じたキャリア教育の拡充、2020年東京オリンピック・パラリンピックを目指して国が提唱するホストタウン構想の推進などの新規事業に取り組むとして予算概要を説明した。
むすびでは、「国の財政支援は地域間競争をあおるかのように選抜的な手法が導入され始め」、「地方創生への道のりは、各自治体の地域経営能力が問われるプロセスになってくる」と自治体の能動的な取り組みの重要性を説く。
燕市は金属製品を中心としたものづくりのまちを前面に打ち出したイメージアップ戦略などで、ふるさと納税の寄附金が県内1位となり、民間研究所の調査による食品以外のブランド想起率で全国5位にランクインした。14年の工業出荷額は5年ぶりに4,000億円台に回復し、「これまでの取り組みが着実に成果として現れ始めている」。
課題は山積するが、「逆に今、まさにチャンスの時と言っていいのかもしれない」とし、燕市が危機を飛躍につなげてきた不死鳥のDNAがあり、「私たちは次なる10年に向かって自信を持ってスタートを切ればいい」と鼓舞するように訴えた。