火焔土器に代表される縄文をキーワードに、三条市など信濃川中流域の市町村が交流・連携をはかる信濃川火焔街道連携協議会が主催する「カムバックサーモン事業」が8日、三条市の白鳥の郷公苑で行われ、三条市立笹岡小学校の児童にサケの稚魚約1万5千匹を五十嵐川に放流してもらった。
同事業は、三条市が2010年に同協議会に参加してから毎年、市内の小学生に参加してもらって行っている。今回は下田地区の笹岡小学校の3年生、4年生、6年生の計29人が参加した。
放流する稚魚は、昨年11月に五十嵐川を遡上(そじょう)したサケから採卵、12月中旬にふ化した約1万5千匹で、体長5、6センチ、重さは約2グラム。
霧雨の降るなか、児童はスクールバスに乗って午前10時半に放流地点に到着。稚魚を入れたバケツを手に雪解け水が勢いよく流れる五十嵐川の河川敷に降りた。30羽ほどのハクチョウが水面に浮かぶすぐ下流で、バケツをそっと川の中に入れ、「気をつけてね」、「大きくなってね」と声をかけて稚魚を放した。
同協議会の三条市では、下田地区には5000年前、縄文人が暮らしており、当時は川いっぱいにサケが泳いでいたといわれ、またそのころに戻るようにと放流を行っていると経緯を説明。さらに、稚魚が成長して戻ってくるのは4年後で、東京オリンピック・パラリンピックが開催される年なので、思い出してほしいと話した。
五十嵐川のサケの回帰率は0.04%で1,000匹のうちの4匹。3.5キロから4キロに成長して戻ると言う。昨年秋は約5,200匹が五十嵐川を遡上した。体長は40センチくらいからいちばん大きかったものでは90センチ、8.4キロもあったという。