弥彦村の「極めて異常な財政運営」も「村政のかじ取りさえ間違えなければ何も心配することはない」 (2016.3.8)

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弥彦村の平成28年度予算案を審議する第2回弥彦村議会3月定例会が8日開会した。会期は22日までの15日間。初日8日、小林豊彦村長は約7分にわたって村長招集あいさつを行った。村の財政は「連続4年間も実質単年度収支で赤字と言う極めて異常な財政運営」と認め、「財政の立て直し、財政の健全化実現が最大の課題」として「弥彦村の寄って立つ地盤は何一つ損われていない」、「村政のかじ取りさえ間違えなければ何も心配することはない」と 自信を示した。

弥彦村3月定例会で小林村長が招集あいさつ
弥彦村3月定例会で小林村長が招集あいさつ

小林村長は冒頭、1月24日に大雪でおもてなし広場の大型テントが倒壊、税金を無駄にし、除雪でも村民に迷惑をかけたことを陳謝した。

昨年2月に村長に就任してから自身で編成する初めての予算案だが、「華々しく新規事業を打ち出したいところではあるが、実際は違ったものにならざるをえない」と始めた。平成27年度決算は数千万円の実質単年度収支で赤字となるのは避けられない状況だが、年度当初に予想された赤字幅は大幅に圧縮できる見通しとし、「それにしても弥彦村は平成24年度から連続4年間も実質単年度収支で赤字という極めて異常な財政運営であることは紛れもない事実」とした。

予算編成は「財政の立て直し、財政の健全化実現が最大の課題」で、「原則、歳入の範囲内で歳出するということ」。歳入増にはふるさと納税など明るい展望も出ているが、「財政立て直しにはまず歳出削減が大原則」で、「不要不急の事業は大幅に圧縮、補助金もすべて見直した」。

「弥彦村は今、緊急時にある」との認識を示し、財政立て直しのために「村民の皆さまには等しく痛みを分かち合い我慢をいただくことになる」と理解、協力を求めた。

3月定例会初日
3月定例会初日

財政再建と並び予算編成のもうひとつの課題は、弥彦村活性化のための予算措置。村単独の事業費は重点事業に傾斜配分せざるを得ず、予算案では、旧弥彦観光ホテル解体、跡地整備を観光弥彦のイメージ回復、将来の税収増大に向けた観光商工の最重要項目と位置付けた。

農業関連では農家所得引き上げの最大の眼目に置いた施策に取り組み、ふるさと納税の活用などを計画。高齢者福祉対策福祉健康対策は28年度から本格的に取り組むべく準備を進めてきた。住民福祉課を福祉保健課と住民課に分け、同時に県との人事交流で懸案の福祉に強い人材を確保し、「新年度からは強力な布陣で取り組む」。

子育て支援は27年度予算で承認された子育てファンドを活用した施策をさらに強力に推し進める。どの施策も昨年、策定した弥彦村総合戦略をベースにしている。

「村は始まって以来の財政面で厳しい時期を迎えている」が、「弥彦村の寄って立つ地盤は何ひとつ損われていない」。年間135万人余りの参拝がある越後一宮弥彦神社が厳然と鎮座し、国定公園に指定されている霊峰弥彦山をはじめ弥彦山系はこれからも素晴らしい自然を提供し、「人々を癒し続けていてくれることに変わりない」。雇用に大きく貢献する工業団地もある。

「村政のかじ取りさえ間違えなければ、何も心配することはない」と自信を示し、「村外のかたから弥彦は本当に恵まれた良い所ですねと言う声をよく聞く。その通り、すばらしい日本に2つとない村ですと胸を張って答えられる日が来ることを確信する。ひいてはこのことが弥彦村の人口減対策の最重要なことであると承知している」と述べ、改めて村民の協力、支援を願った。

10人を超す傍聴者があり、関心の高さを示していた。


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