見附市昭和町2、元法務局出張所の建物をリノベーションした見附市のみつけ市民ギャラリー「ギャラリーみつけ」が12日オープンし、開館記念として三条市の美術界にも大きな影響をもたらした見附市の洋画家、池山阿有さん(76)の作品展が12日から27日まで同所で開かれている。
池山さんは日展会員で中央の美術団体「光風会」の常務理事。元美術学校教諭で、長く三条東高校に勤務したことから三条市内に教え子が多い。1981年(昭和56)年、三条市中央公民館主催青年洋画教室の修了生を中心に発足した三条市が拠点の洋画団体「火曜会」の指導者を務め、若手の育成に努めてきた。
今回は「新潟県どまんなかの夢」をテーマに54点を1階の2つの展示室と2階展示室のすべての展示室に作品を展示する。メーン会場の2階展示室では、制作年に加えて自身の年齢も書き添え、作品が制作されたときの池山さんのイメージを重ねて鑑賞できる。
代表作「炉ばた」シリーズの大作をはじめ、18歳の作品「子どもたち」や32歳の「自画像」、三条市の風景を描いた「八木ヶ鼻」。珍しいデッサンもあり、1階展示室にも水彩やデッサンを数多く展示し、池山さんの大作をよく知る人にとっても意外性のある作品を見ることができる。
これとは別に常設展示室には日展特選の「炉ばた」など3点と、それまで市立図書館に展示していた燕市・旧吉田町出身で燕市名誉市民の日本画家、横山操(1920-73)の180×454センチの大作「夕張炭鉱」を移して展示している。
元法務局出張所は、市役所の隣接地にあり、2008年に市が取得。約2億2,500万円で改修した。鉄筋コンクリート造一部鉄骨造2階建て、延べ床面積914平方メートル。1階に41平方メートルの展示室2室、2階に多機能な展示フロア208平方メートルの展示スペースをはじめ、常設展示室30平方メートル、コーヒーが飲めるラウンジ60平方メートル、ワークショップや講座に使えるぷらっとルーム31平方メートルなどを備える。指定管理の新潟絵屋・新潟ビルサービス共同企業体が運営する。
仕事帰りにも立ち寄りやすいように夜間開館するのが特徴で、午前10時から午後10時まで開館する。入館受け付けは午後9時半まで、ラウンジは9時ラストオーダー。また、池山阿有展は午後9時まで。月曜休館。
初日12日は記念式典、池山さんによるギャラリートークが行われた。会期中に会館記念としてワークショップが行われ、内容は13日に「消しゴムはんこを作ろう」、19日に「新聞紙でオリジナル動物を作ろう」、21日に「似顔絵を描きます」、26日に「和紙で小さなおさいふ作り」。また4月2日から10日まで池山さんを含む見附高校歴代美術教員6人展も開かれる。問い合わせは「0258-84-7755」へ。