4月17日に燕市分水地区で行われるつばめ桜まつりの第74回分水おいらん道中に向けて3月13日、燕市分水福祉会館でおいらん役4人の歩き方の練習が行われた。
おいらん役は公募、審査して選ばれた信濃太夫の佐野みどりさん(26)=新潟市=、桜太夫のハンセン・アネッテさん(27)=東京都=、分水太夫の霜鳥あゆみさん(30)=燕市=の3人。それに、ことし初めて公募せずに事前PRや当日の写真撮影用に頼んだ染井吉野太夫のモデル、したみちオフィス芸能事業部所属の日下千鶴さん(26)=新潟市=の4人だ。
本番までに練習は3回あり、この日はその1回目。おいらん役をリードするほうかん役と2人1組で行った。おいらん役は素足に高さ15センチもある3枚歯で黒塗りの高げたをはき、床に敷いたベニヤ板の上を歩き、ことしも日本舞踊の花柳流・花柳寿之柳さんが指導した。
高げたですり足で歩く練習から慣れるところから始めた。ほうかん役の肩に左手をかけ、ほ右手は帯に置いて横に張り、足元を見ずにしっかり前を見据え、ぴんと背筋を伸ばしたりんとした姿で足を運ぶ。これだけでも最初は難しい。
後半は難関の外八文字と呼ばれるおいらん独特の足の運びを練習した。行列の所々で全体の進行を止めて外八文字を披露する。足先で外八文字を描くようにげたを寝かせて大きく外側にふりだしてゆっくりと体の前へ運ぶ。おいらん役の最大の見せ場だ。
腰を落として足を運ぶのはスクワットをするような筋肉を使い、体への負担は大きい。次の動作へ入るために前に出した足は真っすぐ前に向けるなど、考えていては動作がぎこちなくなり、体で覚える必要がある。おいらん役は進んで花柳さんに所作をチェックしてもらったり、うまくいかない部分はアドバイスをもらったりして繰り返し練習した。
花柳さんは「皆さん1日目にしては及第点。外国人のかたも上手にできて感心した。今から本番が楽しみです」と話していた。