三条市は12日、昨年11月17日に国登録有形文化財に登録された三条市神明町、旧外山虎松商店の登録証と登録プレートを所有者に伝達した。
午後1時に三条市市民部生涯学習課の長谷川健康課長が同所を訪れ、所有者である有限会社アックス都市開発の代表取締役、栗山義弘さん(71)と、同所を借りている合同会社燕三条スタイルの代表社員、小山雅由さん(36)に登録証と登録プレートを手渡した。
旧外山虎松商店は、木造2階建て一部平屋建で、切妻造で桟瓦葺(さんかわらぶき)塀付きで、登録文化財該当部分の建築面積は98平方メートル。
三条市の中心市街地の東にあり、三差路の角地に建つ。通りに面して縦長窓を配した屋根を隠す外壁“パラペット”を立ち上げ、壁の最上部には建物を雨水から建物を守る水平に突起した部材、コーニスをめぐらす。北辺には看板を取り付けた塀が続く。防空壕(ごう)も残る。
戦後、再建された商業建築で、地域のランドマークとして親しまれている。三条市内での国登録有形文化財はこれで19件目となった。
外山虎松商店は時計や宝石を販売していたが、2013年6月に廃業。廃業の話が出ていたころから小山さんは再活用をしたいと切望し、それを受けるような形でアックス都市開発が建物も含めて取得。合同会社燕三条スタイルが借りてリノベーションを行い、外装はできる限り手を加えずに内装を大きく変更し、2014年秋からシェアスペース&ライブラリー「燕三条トライク」を開設し、歴史的な建造物の保存だけにとどまらず新しい価値を吹き込んでいる。
埼玉県出身の小山さんは11年に三条市へ移住。栗山さんは「小山さんのような若い人がこれから模索したり、三条のものづくりという考え方に賛同され、知恵をしぼり、情報を全国に発信しながらここを盛り上げていく方向性に非常に感激し、期待している」、「ここを拠点に波及効果が広がっていくとありがたい」、「わたしも少しはサポーターになれると思っている」と大きな期待を寄せた。
小山さんは「外山虎松商店を見つけたときは衝撃で、建物がもっている魅力がすごく三条にとって重要に拠点になるのではと直感的に思った」、「しっかりと時代にあった事業を継続してやっていくことで、こうした古い建物を残し、少しでも三条のまちなかの魅力をしっかりと保っている、魅力をあげていけるような活動を続けたい」と話した。