三条市の書家、中村暢子(のぶこ)さん(47)が主宰する書道団体「ー書創ー綺羅(きら)」の第3回書展が19日から21日までの3日間、三条東公民館で開かれる。
中村さんは、かな書道で日展入選や読売書法展読売新聞社賞も受けている気鋭の書家。兵庫県に本部を置く書道香瓔会(こうようかい)の理事に就き、地元でも新潟県書道協会理事や三条美術協会副理事長を務める。
「ー書創ー綺羅」は中村さんが三条市や新潟市で指導する教え子でつくる社中。教え子からの要望を受けて1年おきに書展を開き、今回で3回目。中村さんを含めた46人が手掛けた47点の作品を展示する。
教え子も大半がかな書道で、漢字かな交じりもいくつかあり、扇面、貼り交ぜ、巻子、帖などさまざまなスタイル、色や質感が異なるさまざまな紙も作品の一部として気持ちを込めた作品が軽やかで涼やかだ。
作品の釈文はパンフレットに収録し、作品と並べた名札には、思い出やテーマについて作者が書いたコメントを添え、作者が作品に込めた思いや背景を伝えて顔が見えるような展示を工夫した。
読売書法展や日展、日本の書展など全国公募展に出品した作品も10点余りあり、昨年の日展の入選作も。70歳代の女性は、死ぬまでに小倉百人一首をすべて書きたいと今回まで3回の書展でついに百首すべてを帖に書き終えた。
中村さんは昨年、染色家と一緒に作品を制作したときに取り上げた俳句を作品にした「錯綜(さくそう)」を出品した。60×60センチの紙に「読めるというより、線をからめてしまおうと思った」と中村さん。「わたしは細い線のイメージだが、少し違うところをねらった」と話す。
教え子の作品については「回を追うごとに慣れてきて、こういうものを書きたいという作品が増えてきた」と言い、「手本やわたしに頼らずいろんなものを見て、遊んで、センスを磨いてほしい」と願っている。午前10時から午後5時まで、最終21日は午後4時まで開場。入場無料。