越後味噌醸造株式会社(葉葺正幸代表取締役・燕市吉田中町)は19日、同社で味噌蔵見学と味噌仕込み体験イベントを行い、24人が参加。昭和6年(1931)開業の味噌蔵(みそぐら)、昔ながらの木桶(きおけ)が並ぶノスタルジックな醸(かも)しの空間を五感で感じながら醸造文化を体験してもらった。
12たるのみそ仕込みを用意し、それに達したところで申し込みを締め切ったが、1組が場所を間違えてキャンセルし、11たる分の24人が参加。昨年10月から3月までの6カ月間、同社で週3回、インターンとして働く新潟大学経済学部3年の高橋和輝さん(21)の案内役で工場内を見学。味噌仕込み体験で、前日から蒸していたダイズ、米麹(こめこうじ)、塩、種みそ、水をまぜて仕込んだ。家庭に持ち帰って半年間、熟成させれば10月にはみそができあがる。
長岡市の傳川利絵さん(40)は、子どもたちに味噌仕込みを体験させたいと、小学校6年生の長女と3年生の長男の3人で参加した。「いい機会になった。仕込みはイメージしたより大変で、材料を混ぜるのが大切な仕事なんだなと。家でやるのは難しいと思うけど、これがうまくいったら自分でもやってみるかも」と体験に大満足だった。
味噌仕込み体験は、5人の社員が手伝った。同社で働いて25年の燕市・岩川英雄さん(65)は「年に一度くらい頼まれて不定期で体験をやることはあった。みんな味噌仕込み体験を喜んでくれてうれしい」。
同社は昨年9月にそれまでの地元オーナーから事業継承し、新潟市中央区の古町糀製造所と銀座十石を運営する株式会社和僑商店(葉葺正幸代表取締役)を親会社に、新潟市の今代司酒造株式会社、新潟市中央区の株式会社峰村醸造とともにグループ会社のひとつとなった。
グループ会社の峰村商店は、14年からほぼ毎月、味噌の仕込み体験を行っており、そのノウハウを生かして越後味噌醸造でも同様のイベントを毎月行おうと計画し、この日がその1回目だった。企画担当の木龍康一さん(31)は、「スタッフのみんなが一丸となって協力してくれ、参加者も楽しんでくれた」と無事に終わって胸をなでおろした。
「県央地域の皆さんにも喜んでもらえることがわかった。もっと積極的に発信しなければいけないし、皆さんが醸造に求めるニーズに応えられる会社にならなければと思う」と話した。次回は4月30日に行う。