三条市の21の小学校すべてで24日、卒業式が行われ、6年間の課程を修了した卒業生869人がそれぞれの学びやを巣立った。
国定勇人市長が出席した栄地区の大面(おおも)小学校(山田勝志校長・児童169人)では午前9時半から体育館で卒業証書授与式を行い、26人が卒業した。
山田校長は式辞で、三条市の防災対策総合アドバイザーを務める片田敏孝群馬大学大学院理工学府教授が津波防災教育を行った岩手県釜石市・釜石小学校について話した。東日本大震災で当時、釜石小の児童は184人はひとりも犠牲にならず、「釜石の奇跡」と言われた。
釜石小の校歌を読み上げて、「皆さん、これからの人生いろいろなことがあると思います。そういったときはこの校歌にあるように一人ひとりの個人として、しっかり意見をいい、深く考える、しっかり話すこと。そして友だちとしっかり手をつなぐこと、助け合うことを大切に生きてください」、「皆さんの目指す星を目当てにまっすぐ生きてください」と願った。
国定市長は祝辞で、「小学校で培ったことをもとに、困難に立ち向かい、乗り越えられるような強い心を育んでいってください」。三条市が推進する小中一貫教育を説明し、大面小の在校生を温かい気持ちと兄や姉になった気持ちで引き続き守り、育てていくように、栄中では栄中央小、栄北小の子どもたちも、卒業生にとっては愛すべき後輩であり、その後輩にとって見習いたいなと思われる尊敬すべき存在になってほしいと願った。
卒業生のほとんどは栄中学校に進む。栄中の制服である3つボタンの紺のブレザーを着た卒業生はぐっとおとなっぽくなり、在校生や保護者の大きな拍手に迎えられて堂々と入場した。
式は卒業生と在校生が対面して座った。卒業生が背にしたステージには通常の「卒業証書授与式」の看板はなく、卒業生のアイデアで自分たちで描いたイラストを描いて掲げた。カラフルな花がちりばめられた青地にピンク色の大きなハート、その中央に水色の地球、その下に笑顔で手をつなぐ子どもたちの明るく楽しいデザインだ。
その隣には満開のサクラ。同校のサクラをせん定して加温、管理士がこの日のために花を咲かせた。卒業生の前には1年生から5年生が育てたピンク色のサクラソウやパンジーを飾り、卒業をみんなで祝った。そのなかで、卒業生は名前を呼ばれて中央に進み、山田校長が卒業証書を手渡した。最後は「別れのことば」、全員の校歌斉唱で閉式した。釜石小の校歌は次の通り。
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釜石小学校 校歌
いきいき生きる いきいき生きる
ひとりで立って まっすぐ生きる
困ったときは 目をあげて
星を目あてに まっすぐ生きる
息あるうちは いきいき生きる
はっきり話す はっきり話す
びくびくせずに はっきり話す
困ったときは あわてずに
人間について よく考える
考えたなら はっきり話す
しっかりつかむ しっかりつかむ
まことの知恵を しっかりつかむ
困ったときは 手を出して
ともだちの手を しっかりつかむ
手と手をつないで しっかり生きる