済生会三条病院(郷秀人院長)が隣接地の旧うるおい広場サッカー場に建設し、4月1日に開園する附属保育園「たんぽぽ」と病児・病後児保育ルーム「なのはな」の竣工式が25日、同所で行われた。
関係者ら約50人が出席。神事のあと、新潟県済生会支部の上村朝輝支部長はあいさつで、済生会を運営する恩賜財団や済生会について話し、「今後も済生会としてお手伝いできることがあれば積極的に地域に貢献してまいりたい」とし、少子化対策の一助になることにも期待し、「わたしたちは愛情と信頼感を大切にした保育を行い、保護者の皆さまから安心して預けていただける園づくりに一丸となって取り組む決意を新たにしている」と話した。
来賓祝辞で、施設の建設費の一部を負担し、病児・病後児保育の運営を委託する三条市の国定勇人市長は、未満児保育の拡充、病児・病後児保育には必要性を強く感じながら施設建設や医療関係者による受け入れ体制など多くの課題があったなか、郷院長と懇談の席で耳を傾けてもらい、三条市のためになるならと保育施設建設を決断してもらったことに感謝し、「多くの保護者の支えとなり、地域の方々から親しまれる施設となりますよう切に念願する」と述べた。
施設は一部2階建のRC造で述べ床面976平方メートルで、「たんぽぽ」811平方メートル、「なのはな」165平方メートルの内訳。総事業費は約4億円。
「たんぽぽ」は地域型保育事業(事業所内保育)で、三条病院の従業員の子どもを対象にした3歳未満児の保育園。そのなかで地域枠も設け、従業員以外の利用も受け入れる。定員は従業員枠20人、地域枠30人の計50人のところ、これまで37人の利用申し込みがある。
0歳児、1歳児、2歳児の部屋が別々にあり、コロナの除菌作用もある加湿器を設置する。食事をする部屋は別に「ランチルーム」がある。子どもたちが入ってみたくなる「あなぐら」と呼ぶ狭い空間や「かけっこルーム」もある。
「なのはな」は三条市の委託で病児・病後児保育事業を行う。生後6カ月からおおむね小学校3年生までで、病気か病気の回復期に利用できる。定員は1日10人、料金は1日2,000円。事前の登録が必要でかかりつけの医師の指示を受ける必要がある。
玄関は「たんぽぽ」と別にあり、「たんぽぽ」とつながっているが、接続部分にはクリーンルームにあるような2つの扉で仕切られる。静養室1室と個室6室があり、感染を防ぐため原則して1人1室を利用するが、同じ病気の子どもは同じ部屋に入ることがある。アレルギーの心配もあるので、食事は持参する。
また、建物の2階は避難所としても想定している。2011年の7.29水害では、付近は約80センチの高さまで浸水した経験から、1階の床の高さを82センチとした。
勤務する保育士と看護師は合わせて25人。常時、看護師1人と保育士18人が勤務し、「なのはな」では看護師1人と保育士3人が勤務する。
25日は午後1時から4時まで一般の人を対象に内覧会を行い、26日も午前10時から午後3時まで内覧会を行う。問い合わせなどは同施設(電話:0256-31-3800)へ。