昭和38年の計画決定から53年、三条市の南北縦貫道路のアンダー工区と第二工区が開通 (2016.3.28)

三条市の南北縦貫道路「都市計画道路新保裏館線」のJR信越本線のアンダー工区530メートルが完成し、先に開通したその南側に続く第二工区340メートルと合わせて全体延長3,970メートルのうち73.6%に当たる2,920メートルが完成し27日、供用を開始した。

昭栄大橋で五十嵐川をまたぎ、嵐北側の国道289号バイパス、通称「第二産業道路」から嵐南側の市道西大崎西本成寺線が一直線で結ばれた。第二産業道路から北側へ、国道403号三条北バイパスへ接続するまでの1,054mの区間が未整備だが、国道403号三条北バイパスがまだ整備中の現状では、新保裏館線の機能として求められる必要な区間がすべて完成。計画決定は1963年（昭和38）で、それから数えて実に53年がたった。

午前10時から開通区間の北側で開通記念式典が行われ、絶好の青空が広がるなか、関係者ら約150人が出席。国定勇人三条市長は式辞で、今回の開通により利便性の向上、経済活動の効率化、救急医療搬送時間の短縮が主な効果と考えているとし、旧三条市の五大事業のひとつとして昭栄大橋架橋など市街地再開発事業とセットで進めてきたが、「この開通を契機に嵐南、嵐北を結ぶ幹線として地場産業、観光産業などの活動が活発になり、地域の活性化が図られることを大いに期待している」と述べた。

泉田裕彦知事代理の冨田陽子土木部都市局長は、信越本線の踏切と狭隘（きょうあい）さにより、円滑な交通を確保することが難しい所だったとし、「立体交差道路が完成したことにより三条市街地の一体化を促進し、立地性を生かしたまちづくり、経済活動の活性化、市民生活の利便性が向上することが期待される。また、近年は大規模な災害が頻発している。この道路が災害時の避難経路、救急搬送、緊急輸送路としての機能を向上させる効果も期待される」と話した。

藤山秀章北陸地方整備局長代理の大関弘之都市調整官は「JR信越本線や一級河川五十嵐川で分断された南北縦貫道路　北陸道三条燕インターへのアクセス道路としての役割も担っており、地域内の活性化や交流の拡大、三条市の魅力ある地域づくりに大きく寄与するものと期待」し、「北陸地方整備局としてもさまざまな手法を活用し、地域の皆さまと連携を図りつつ今後とも魅力あふれるまちづくり、地域づくりにできる限りの支援をしてまいる」と述べた。

7人でテープカットを行い、地元のきらきら保育園園児もまじえてくす玉を割ると「祝　都市計画道路新保裏館線」とある垂れ幕が下がった。森山昭市議会議長の音頭で万歳三唱、きらきら保育園園児による和太鼓演奏のアトラクションのあと、国定市長を先頭にアンダー部分を歩いて渡り初めを行った。午後2時に供用を開始するとしばらくは、ちょっとした渋滞になるほど車の通行量が多く、市民の関心の高さを示していた。