新潟県物産見本市協会など主催の「平成27年度ジャパン・ツバメ・インダストリアルデザインコンクール」の表彰式が25日、燕三条地場産業振興センターで行われた。
経済産業大臣賞を受賞した株式会社大泉物産のカトラリー「ICHI」をはじめ、金属洋食器・金属ハウスウェア部門6点、関連製品・新分野開発製品部門3点の9点を表彰。賞状の授与は、関東経済産業局産業部製造産業課の梶田昌幸課長のほか、県知事賞は県産業労働観光部の武本清志部長、新潟県物産見本市協会会長賞はと同奨励賞は会長でもある鈴木力燕市長から授与した。
燕市産品のデザインの高度化と振興を図ろうと1977年(昭和52)に「にいがた県燕市物産デザインコンクール」の名称で始まったコンクール。企画力とデザイン力に優れたオジナリティーあふれる製品を審査している。
ことしも金属洋食器・金属ハウスウェアと関連製品・新分野開発商品の2部門で募集し、合わせて27社から36点の応募があった。2月26日に長岡造形大の豊口協名誉教授を審査委員長に11人の審査員で審査し、各賞を決めた。
経済産業大臣賞の「ICHI」はデンマークの著名デザイナーオーレ・パルスビー(1935-2010)がデザインしたもので、ナイフ3種、フォーク4種、スプーン8種の全15アイテムのステンレス製カトラリー。クラシックなツヤ消し仕上げと高級感あるブラックチタンコーティング仕上げがある。
シンプルな造形美にこだわりのディテールが同居する。とくにチタンコーティングは切削工具や装飾品に使われるが、カトラリーに使われたのはおそらく世界初と言う。
開式のことばで鈴木市長は、昨年の経済産業大臣賞だった株式会社タケダ(燕市灰方)の「MiLLi SECOND メタルメジャー」が、昨年の日本文具大賞のデザイン部門でグランプリに輝いたことを話し、「歴史はもちろんのこと、優れた製品がしっかり選ばれているという権威も物語っているのでは」とし、「実際に売れて消費者の手に届いているとういことも目指している」と話した。
次回は40回目の節目で、「それを記念してさらなるバージョンアップを図ろうと考えており、次のデザインコンクールからは若手デザイナーや学生からも参加いただく新しい部門を新設したい」との考えを示した。
経済産業大臣賞の大泉物産の大泉一高専務は、「ICHI」の開発の経緯などを話し、「今後、経済産業大臣賞の名に恥じないようなものづくりを進めていきたい」と話した。
豊口名誉教授は「こういうすばらしい製品を前にして議論をして賞を決めさせていただくことは審査員としても大変、光栄なこと」と言い、「できれば早く、すべての企業がかかわって新しい社会に対応したようなものをつくりあげるようなデザイン研究所のようなもの」を「市と商工会議所と地元の皆さんで力を合わせておつくりいただきたい」、「それは燕でなければできない」、なぜなら「先人たちの残してくれたものづくりの文化があるから」と燕のデザイン力の向上を強く期待した。
金属洋食器・金属ハウスウェア部門 | ||
中小企業庁長官賞 【製品名】新型波型刃をもつナイフシリーズ |
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経済産業省 商務情報政策局長賞 【製品名】プレイザント アルミアイススプーン 刃付 |
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関東経済産業局長賞 【製品名】THESIS 5-pc. Place Setting |
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協会奨励賞 【製品名】EAトCO OKI |
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協会奨励賞 【製品名】すくいやすく注ぎやすいレードル |
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関連製品・新分野開発製品部門3点 | ||
関東経済産業局長賞 【製品名】燕三条の髪はさみ SG-313T(ミニ梳き鋏) |
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新潟県知事賞 【製品名】腰楽シリーズ 能率鍬(Men's、Women's) |
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協会会長賞 【製品名】UF コーヒーミル |