三条市出身で燕中学校剣道部OBの日本体育大学4年五十嵐蕗選手(22)は今春、入社する三菱東京UFJ銀行チームの大将として出場した第19回全日本実業団女子剣道大会で優勝、個人最高賞の最優秀選手賞を受けた。30日、国定勇人三条市長を表敬訪問して大会の実績を報告した。
五十嵐選手は、新潟県剣道連盟所属で4段。剣歴は、2002年に三条市立上林小学校5年生のときに地元、栗林の上林館(小日向満館長)に入門して始まり、06年に燕中学校剣道部に入部。全国中学校剣道大会で1年生のときと主将を務めた3年生のときの2度、団体優勝を果たした。
09年に東北強豪校の山形県立左沢高校剣道部入部し、インターハイに団体と個人で出場。11年に第38回三条杯争奪剣道大会優勝した。12年に日本体育大学剣道部入部に進み、14年に全日本都道府県対抗女子剣道大会に新潟県チーム次鋒で出場して優勝、第33回学生剣道優勝大会で3位に。
15年に第54回全日本女子剣道選手権大会初出場し、16年に第19回全日本実業団女子剣道大会優勝(三菱東京UFJ銀行チーム大将)、最優秀選手賞受賞。今春から三菱東京UFJ銀行に入社し、新潟支店に勤務する。
表敬訪問には、上林館道場の小日向館長(92)と指導者の鎌田昭子さん(61)、父親の五十嵐誠さん(48)とともに市役所を訪れ、優勝カップや表彰状を持参して結果などを話した。
五十嵐選手は、何年も親元を離れて生活しており、就職は県内と決めていた。これからやりたいことについては「剣道人口が少なくなってきている事実があり、母校(燕中)も部員が少なくなっている」、「日本が生んだ武道を日本が大事にして、広まってくれたらと思っています」と答えた。
表敬訪問後には、選手としては「大学でやり切れたと思っている」と言い、今後は「伝えるほうを」と、後輩への指導などにシフトしていきたい思いを話した。厳しい選手生活を知る父の誠さんは、「これからは旅行に行ったり、遊んでもらいたい」と蕗さんに社会人生活を楽しんでほしいと、親心を話していた。