燕市が今年度、改築工事を進めてきた燕市国上、道の駅国上のふれあいパーク久賀美の屋外トイレが完成し、4月1日から利用できる。これまでよりも広く、便器の数も大幅に増え、備品などに燕製品を積極的に採用した意欲的な工夫を凝らして大きくグレードアップした。
屋外トイレは木造平屋建て、建築面積126平方メートル、床面積94平方メートル。便器の数が大きく増えて和便器は洋便器に変えた。男子用はこれまでの小便器2カ所、和便器1カ所が、小便器5カ所と洋便機3カ所に。女子用はこれまでの和便器2カ所が洋便器9カ所に増やした。多機能トイレはこれまで通り1カ所ある。
手洗いの鏡には燕市小池、株式会社中野科学のステンレス製を採用。電解複合研磨という技術で研磨したもので、言われなければガラスの鏡にしか見えない。
トイレットペーパーホルダー、化粧棚、サニタリーボックス、説明板は元は燕市内に会社があった弥彦村の株式会社ヨシカワが作成を依頼した。同社はキッチン用品のメーカーで、とくにトイレットペーパーホルダーはステンレスの発色加工でゴールドに色付けした。
トイレの壁などはスギ材を多く使った。建物の入り口にはがん木が張り出すデザインだが、これは新年度に改築する食堂とがん木で接続する設計になっており、がん木の下を歩いて雨や雪の日でもぬれずに食堂とトイレの間を移動できる。事業費は建築工事4,011万円、電気設備工事349万円、機械設備工事1,473万円の計5834万円。
ふれあいパーク久賀美は2002年に完成し、その年のうちに道の駅に登録された。しかし、屋外トイレは国上健康の森公園の施設として1991年に竣工。そもそも道の駅を想定したトイレではなく、明らかに規模が不足していた。
燕三条を玄関口とする弥彦と寺泊の2つの大きな観光地を結ぶ道路に面していることもあり、それらを訪れる団体の観光バスが同所にとまることも多いが、とくに女子トイレは行列ができていた。
入館者数は年間6、7万人で推移しているが、指定管理制度にした2014年度は10万3944人と初めて10万人を突破。ますます屋外トイレの不足が大きな問題となったため改築した。
近年、トイレの整備が集客に与える影響が大きくなっており、市では屋外トイレの改築により観光バスでの利用も増えると期待している。